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5月20日(tham31) 嗚呼!今季最短

戦評

今季最短KOとなった藤浪の乱調が祟り、序盤で流れを失った阪神が、リズムを取り戻せないまま3連敗を食らった。

東京ヤクルト先発・小川に対して今季土曜日は1勝4敗と分が悪い阪神は、上本を5月5日以来  約2週間振りに2番で起用。5番ファーストには原口を配置する。2回表 先頭・原口がラッキーなテキサス気味の左中間二塁打で出ると、6番 鳥谷の中前適時安打によって先制のホームを踏んだ。

通算1912安打目となる先制打の鳥谷 敬内野手が振り返る。「打ったのはストレート。追い込まれてしまったが、後ろに繋ぐことだけ考えて打った。主導権を取る為にも先制することが出来て良かった」。

阪神先発・藤浪は初回こそ3者凡退で立ち上がるが、相変わらず荒れ気味の投球だ。中村への死球が絡んだ二死1・2塁のピンチは逃れるが、3回には小川・山田への四球などで二死2・3塁となって4番 雄平にフルカウントからのスライダーを打たれて右前2点適時安打。ヤクルトに逆転を許した。更に走者が溜まった1・2塁から6番 今浪にライトへ2点適時三塁打を浴びて4対1とされてしまう。

4回裏の先頭打者にストレートの四球を与えたところで阪神ベンチは藤浪を諦め、リリーフ岩崎を送った。藤浪晋太郎投手は、「途中からバランスが悪くなり、タイミングが合わなくなった。・・・焦ったり、余計な事を考えて」冷静さを完全に見失ってしまった。今季最短3回0/3(69球)で3安打 4三振 5四死球 4失点。傷心の若き右腕は、「対打者への投球が出来ず自分との戦いになってしまい、先発としての役目が果たせなかった。先制して守ってくれていた野手の方に申し訳ない」と元気がなかった。

ヤクルト・小川は力強い真っ直ぐとコースぎりぎりに決まるコントロールが冴えて、阪神打線になかなか付け入る隙を与えない。5回表には一死2塁のチャンスを作るも途中出場・中谷と1番 高山が2者連続見逃し三振に斬って取られる。6回も先頭・上本がヒットで出塁するも調子を落としている3番 糸井が投ゴロ併殺に倒れて繋がらない。

6回裏  阪神は3人目・松田が登板するが、3番 山田に二死1・3塁カウント2-2からの外角直球を打たれてライトへ決定的な5号3ランを浴びて7対1と大差をつけられた。「(先発も救援陣も)四球が失点に繋がってしまっている」。試合後、香田勲男投手コーチは苦悶の表情で言葉を吐き出した。

それでも、阪神は7回表 代打・キャンベルや鳥谷、代打・伊藤隼のヒットで一死満塁と攻めつけ  小川をマウンドから引き摺り下ろす。代わった近藤から中谷・押し出し死球と1番 高山の犠飛で2点を返すが、その裏 4番手・藤川が一死2塁から7番 中村に右越え適時二塁打を浴びて大勢が決する。

5点リードのヤクルトは8回からギムレットを送って、走者を背負いながらも最後まで投げさせ  8対3で押し切った。ヤクルトは4連勝。前夜に続き先発投手が誤算だった阪神は、これで今季2度目の3連敗で勝ち越し数も1桁の9に戻った。

 敗戦投手の藤浪は、対ヤクルトの通算連勝記録も5でストップ。前夜の岩貞に続き、本来の自分を見失い、相手と戦うレベルに達しないまま降板したのが最大の敗因である事は明らかだ。打線の繋がりが今一つだけに、投手陣の踏ん張りが連敗脱出に必要不可欠な条件と言える。

代打陣の活躍、途中出場・岡崎の今季初安打など最後まで抵抗して7試合振り2桁10安打を放った打線だが、4試合連続・16打席無安打と元気のない糸井が非常に気掛かり。福留も含めて、ここまで快進撃を支えて来たベテランの復調が何よりも急務であろう。

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