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5月21日(st0000005) 薄氷の連敗脱出!

戦評

執念の采配が的中した阪神が、際どく逆転勝ちを飾り 連敗脱出に成功した。

日曜日の神宮ナイトゲームは、ドラフト2位ルーキー対決となった。阪神は、小野がプロ初登板初先発。初回は山田からプロ初の三振を奪うなど3者凡退で滑り出すが、2回裏 雄平に内野安打を許すと5番バレンティンには3ボールからストライクを取りに行った真っ直ぐをバックスクリーンに叩き込まれる7号2点本塁打を浴びてヤクルトに先取点を奪われた。

ヤクルト先発・星に対して走者は出しながらも抑えられていた阪神は、3回表 先頭1番 高山が明治大の1学年後輩からライトへの3号ソロを放ち反撃開始。続く上本もレフトスタンドへ2者連続の一発となる2号ソロを豪快に運んで2対2とする。

「打ったのはフォーク。先頭だったので、とにかく塁に出る事を考えていた。少し(上体を)前に出されたが、なんとか捉えることが出来た」と高山 俊外野手。同点本塁打の上本博紀内野手は、「ストレートに振り負けないようなスイングを心がけた」一撃だった事を明かしている。

追いついてもらった小野だが、その裏 1番 坂口に弾丸ライナーの右越え1号ソロアーチを見舞われて再び勝ち越される。4回にはバレンティンのヒットから二死満塁とされて坂口を迎えるも、ここは内角直球で一ゴロに取った。しかし、5回裏 ここまで連続三振に斬っていた3番 山田に無死2塁から中前適時安打を浴びて4点目を献上し、この後 バレンティンのところでリリーフ桑原と交代する。連敗中の阪神・金本監督は、ビハインドの展開にも関わらず、早めに勝ちパターンの継投に入った。

4回1/3(83球)8安打 5三振 1四死球 4失点とプロの洗礼を浴びた小野泰己投手は、初の一軍登板を次のように振り返った。「初登板で緊張はあったが、立ち上がり3人で打ち取ることが出来て、落ち着いて投げる事が出来た。課題にしていた変化球の制球も良くなっている部分はあったが、1軍の打者は甘くなった球は確実に捉えて来ていたので、まだまだ力不足だなと感じた」。

同じ大卒・ドラ2同士。しかも 高山・糸原ら大学の先輩との対戦でもあり、ヤクルト・星は気合い十分な投球で中盤は猛虎打線を封じ込める。しかし、7回表 阪神は一死から代打攻勢をかけて、キャンベル・四球と伊藤隼の右二塁打で二死2・3塁とビッグチャンスを作った。ヤクルトは星からルーキへとスイッチするが、高山・上本は共にラッキーな適時内野安打で阪神が同点とする。糸井の一ゴロで二死2・3塁になるとヤクルト・バッテリーは4番 福留に敬遠策。だが3球目が大きく抜けて、まさかの暴投で阪神に勝ち越し点が入った。

この後は両チームが一歩も引かない継投となる。阪神は7回から岩崎、8回マテオ。ヤクルトも8回 石山、9回 近藤がしっかりと抑えた。9回裏は阪神・守護神ドリスが登板する。ドリスは先頭8番 大引の投ゴロを弾き内野安打とすると小フライとなった次の代打・上田のバントを捕球出来ず失策で無死1・2塁。犠打で走者が進み代打・大松は四球で一死満塁となり、絶体絶命の場面に3番 山田を迎える。山田には粘られてあわや逆転サヨナラ満塁本塁打と言う大ファールもあったが、結局抜けた変化球で空振り三振。そして、4番雄平も内角直球で空振り三振に仕留めて、辛うじて阪神が5対4で逃げ切った。

ヤクルトは連勝が4でストップ。 勝ちはリリーフ桑原について今季3度目の救援勝利。最速156km/hの速球で大ピンチを逃れたドリスが17セーブとなった。阪神の連敗は3で止まり、勝ち越しも10と二桁に戻している。

決勝点が相手の暴投だった事もありヒーローインタビューの人選が注目されたが、出て来たのは3安打2打点の高山 俊外野手だった。「(全部の打席がそうだけど、本塁打の打席も)ホント 塁に出ることだけ考えて。最高のカタチになった。ちょっと擦ったけど、上手く乗ってくれて良かった。(大学時代慣れ親しんだ神宮で今度は全3本塁打だが)今度は甲子園で打てればイイかな?と思う」。

「(最後のピンチは)まぁ、ミスだけどね。ミスのオンパレード。そこで去年だったら恐らく99%  いかれる(逆転される)と思うけど、そう行かないのが、今年の去年とは違ってるチーム力と言うか?・・」。金本知憲監督は、苦笑いを浮かべながら話した。「(決勝点は暴投だったけど、そこに行くまでの)高山のが内野安打とかね、上本にしても。まぁ、勝ち運があったのかな?」。

「(早めに桑原を投入したのは)今週1回しか投げてないから、そう言うのも全部計算して・・。(5回裏の交代機。あそこは)これ以上打たれたら、しんどい」。勝率のイイ日曜日に勝って、「(勝つと負けるとで)月曜日が、やっぱり大きな違いや。(3タテを免れて)それも大きいね、やっぱり。アウェー(ビジター)でね!」。

プロ初先発の小野泰己投手は、「(バレンティンに)直球を狙われてるのは分かっていたけど、甘く入った。(坂口には)手が滑ったと言うか?内に入ってしまった。シュート回転する球があったので、そこは修正したい」と忘れられない日を振り返っていた。しかし、指揮官は、「次も行きますよ。・・・小野は良かったでしょ?ベンチからはシュート回転とか、そういうのは見えないんだけど。内野安打からの本塁打やからね。オレ、そんな打たれてる感はない。楽しみな投手ですね。ハイ、オッケー!」と高評価を示して、上機嫌で引き揚げて行った。

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