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8月22日(JST000000Asia/Tokyo) 鮮やかな3発実らず

戦評

中盤のアーチ攻勢で接戦に持ち込み、終盤リリーフ陣が必死に踏ん張った阪神だが、とうとう堪えきれずにサヨナラ負けを喫した。

東京ヤクルト先発サウスポー・石川に対する阪神は、俊介・西岡の1・2番。福留・ロジャースをベンチに置いて糸井・中谷・大山でクリーンアップを組む。石川は抜群な滑り出しで1・2回と3者凡退で立ち上がった。

阪神先発は12度目の初白星挑戦となるルーキー小野。初回は先頭・坂口を遊撃内野安打で出すが、後続を打ち取る。しかし、2回裏 二死から7番 中村に内角直球をレフトポール際へ運ばれる2号先制ソロ本塁打を浴びて、ヤクルトに1点を献上する。3回には坂口・山崎の連打で一死1・2塁とされたが、3番バレンティンを遊ゴロ併殺打に打ち取っている。序盤の小野は、球にキレがあってフォークを出し惜しみせず上手く使えている印象だった。

4回表 二死後  阪神は4番 中谷が甘く入ったスライダーを捉えてレフトスタンドへ放り込む14号ソロ本塁打で同点とする。その直後5番大山も初球真っ直ぐを狙い打って左翼ポール際へ二者連続の5号ソロアーチで一気に勝ち越した。大山悠輔内野手は、「狙いを決めていたので。そのまま仕留められて良かった」と話す。

その裏、小野は山田のヒットとレフト中谷が目測を誤ったリベロの二塁打で無死2・3塁とされて、6番 藤井に詰まりながらも中前に運ばれる適時安打を浴びて7番 中村にも中犠飛を許して、簡単にひっくり返されてしまう。しかも続く奥村の打席で右足ふくらはぎにアクシデント発生。阪神ベンチは、ここで小野~坂本を石崎~梅野へバッテリーごと交代させる。。直後に奥村の右前安打と9番 石川のセーフティースクイズでヤクルトに追加点を奪われた。

小野は3回1/3(56球)6安打3三振1死球4失点で緊急降板。またしてもプロ初勝利はお預けとなってしまった。「右足が吊ってしまった。失点しても取ってくれたのに・・防がなくてはいけなかった」としきりに悔やんでいた。香田勲男投手コーチは、「(今日は)変化球でストライクが取れていたし、フォークでも空振りが取れていた」点を評価しながらも、次回の登板については「何とも言えない」と話している。

再びビハインドとなった阪神だが、直後の5回表  梅野・ヒットの無死1塁から1番 俊介が、やや体勢を崩しながらもレフトスタンドまで運ぶ 3号2点本塁打を放ち、4対4とする。

俊介(藤川俊介)外野手は、「打ったのはシンカー。無死だったし、チャンスを広げてクリーンアップに繋げようという意識で打席に入った。点を取られたすぐ後に追いつくことが出来てよかった」と話している。

石川は6回表 一死1塁  代打・ロジャースのところで石山と交代。ヤクルトは石山が後続を抑え、その後 近藤〜松岡〜ルーキと繋いでいく。

石崎が5回まで投げた阪神は、6回から岩崎を投入する。7回裏には山田に死球を与えるなど二死1・2塁のピンチを迎え5番 リベロにセンター前に落ちそうな当たりを打たれたが、俊介が地上スレスレでダイビング捕球!というピゥグプレーに救われた。

8回裏  阪神4人目・高橋は藤井・中村の連打などで無死2・3塁と大ピンチを招くが、ベテランはじっくり時間をかけて見事に後続を抑えた。しかし、続く9回裏 山崎の左二塁打から無死1・2塁とされた阪神5人目・桑原は、4番 山田を二ゴロ併殺打に打ち取り二死3塁まで漕ぎ着けたが、続くリベロにフルカウントから甘く入ったスライダーを渋くショート後方に落とされる中前適時安打を許してサヨナラ負け。5対4と東京ヤクルトに惜しくも敗れた。

オールスター後 初の4番を打ち、鮮やかなアーチを描いた中谷将大外野手は、「打ったのは良かったんですけど・・」と冴えない表情。直後の守備でリベロの伸びてくる打球に対応出来ず、長打にしてしまった事に納得が行かない。

「(桑原は打たれたけど)まぁまぁ2本共・・・(アンラッキーな当たりだった)。(ドリスが体調不良で欠場だった事に関しては)そこは高橋が踏ん張ってカバーしてくれた」。金本知憲監督は、必死に声を絞り出す。「(小野は)続投は無理だった。良いボールは投げていたし、カウントも変化球とかで取れていた。あとは打者との間合い。(一球一球どういう意図を持って投げるか?といった)ボールの意識付け」と課題をあげる。

 投手の遣り繰りなど頭の痛い問題は多いものの「どのチームも8月は(疲れが)ピークだと思う」と語る指揮官は、改めて苦境を乗り越える決意を固めて帰りのバスへと乗り込んで行った。

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