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4月18日(16Asia/Tokyo18) ナイスキーパー!梅野

戦評

中盤一つの綻びを突き一気に逆転した阪神が、終盤の投手リレーで際どくリードを守り切った。

阪神先発・メッセンジャーは初回、大島・京田の連打と四球で一死満塁のピンチを招く。5番 平田を打ち取るも、続く亀澤にボテボテの三塁適時内野安打を許して中日に先取点を奪われた。しかし、2回以降 丁寧な投球でアウトを重ねていく。かつてのような豪速球ではないが、緩急を使って5回まで1人の走者も許さなかった。

中日は、前回登板ヤクルト戦でプロ初完封を飾った2年目右腕の柳が先発。 阪神は初回二死1・2塁で福留、3回表の一死1・2塁も糸井・ロサリオが倒れて序盤のチャンスを生かせない。 柳はチェンジアップを巧みに使い、猛虎打線を翻弄して行く。

緊迫の投手戦が、ほんのちょっとしたキッカケから大きく動いた。6回表 阪神は糸井・右前安打の後、柳の失投を捉えたロサリオ・中越え二塁打で無死2・3塁と絶好機を迎える。ここで5番 福留の一ゴロを中日ビシエドが本塁へ悪送球。二者が返って阪神が逆転した。この後、一死1・3塁となって8番 梅野のセーフティスクイズ。更にメッセンジャーも右前適時安打を放って一気に4点を取り阪神が優位に立つ。

その裏 メッセンジャーは、鳥谷の失策も絡んだピンチから亀澤に右前適時安打を浴びる。投球も100球に迫った事から、この回限りでリリーフ陣に後を託した。

「初回と6回以外は自分のリズムで投げることが出来た。ビハインドの状況から我慢強くプレーして、逆転してくれたチームメイトたちに感謝している」。6回(98球)4安打4三振2四球 2失点(自責1)。前回 途中退場のモヤモヤを晴らすべく上がったマウンドで、ランディ・メッセンジャー投手がしっかりとゲームを作った。

阪神は7回から継投に入る。岩崎は三者凡退。8回 桑原は得点圏に走者を背負うも無失点で切り抜けた。最後はドリスに託すが、先頭打者・亀澤の投ゴロが際どく内野安打となって阪神ベンチはリクエストで検証を要求するも判定通り。この走者は、藤井の左犠飛で返されてしまう。それでも、ドリスがリードを守り切って、阪神が4対3で辛うじて勝利を収めた。

「前の試合は、すみませんでした」。ヒーローインタビューは、投打に活躍のランディ・メッセンジャー投手だ。「初回はあんなカタチで…。それでも最少失点で切り抜けたし、野手のみんなが我慢強くプレーしてくれて、逆転する事が出来たので、いつも言ってるけどチームメイトに感謝だね」。先日国内FA権を取得したが、「他のチームでプレーする事は、全く全く全く考えられない。阪神で一生を終えたいと思う!」と改めてタイガースへの愛着を口にした右腕。来日87勝目は、また格別な味わいのある白星となった。

「今日はカーブが有効やったネ。スピードは出てないけど、キレはあるように見えた」。金本知憲監督もエースの投球に目を細める。好リードの梅野については、「ナイスキーパー!(配球の話をする)その前にナイスキーパー。よく止めましたよ、ワンバン」と再三体を張って投球を止めたキャッチングを賞賛した。攻撃では、前回中日戦で失敗したセーフティスクイズを再度敢行。「今日は良いところに転がしてくれて…」。梅野に成功させることで指揮官が自ら信念を貫く、ある種の頑固さも示した。

来日初の3安打を放って逆転勝利を呼んだウィリン・ロサリオ内野手は、「(今日は)自分のタイミングで打つ事が出来た。まだまだやれる事がある。まだ始まったばかり。打てるように頑張るよ」と話している。

指揮官も頼みとする4番の活躍を喜んだ。「ポイント、ポイントでね。(6回表に出た)あのツーベース。センターオーバーなんか、ロサリオらしい当たりやし… オレはまぁ、別にいつか打つと思ってるし、それが今日からなのか?日曜日からなのか?いつか分からないけど、いずれ一年終われば、間違いなく打ってくれるだろうと。そういう計算があるから」と話して、揺るぎない信頼を口にする。

「でも、もう少し、何かね。(失策などで)無駄な点 やってしまったし(攻撃でも)もう1~2点取れたかな?って言うのは、やっぱり」。金本監督には心から笑えないところがあった。「勝ちは喜んでイイけれど、締めるところは締めて行かないと…。そんな、いつもいつも勝たせてくれない!」。長いシーズンを見据えて、最後は厳しい表情でナゴヤドームから引き上げて行った。

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