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5月12日(tham31) 昇格即!プロ初本塁打

戦評

広島・大瀬良の投打にわたる活躍に試合の主導権を握られた阪神が、打線の低調と救援陣の自滅が重なって悪い流れに抗えなかった、

3連敗中の阪神は、広島先発・大瀬良に対し 今季初めてロサリオを5番に下げ 福留が4番。6番セカンドには一軍昇格したばかりの板山をスタメンで起用するなど打線を一新して臨む。

チームのムードが良くない現状だけに相手に先手を取られたくない阪神先発・小野だが、2四死球が絡んで2回裏一死満塁のピンチを招き、9番投手の大瀬良にフルカウントからの直球を打たれライトフェンス直撃となる先制2点適時二塁打を食らう。大瀬良大地投手は、「三振でも良いつもりで、真っ直ぐだけ頭に入れて1・2の3!で行った。フェアゾーンに飛んでくれて良かったなと思う」と、ルーキーイヤー以来4年振りに放った適時打を振り返っている。

敵地でまたしても追う展開になった阪神だが、この日もクリーンアップが振るわない。大瀬良の力強いストレートに押され気味の攻撃陣は中盤まで毎回三振を奪われて、なかなか有効打が生まれない。漸く5回表先頭・板山が、風のアシストもあってレフトスタンドへ嬉しいプロ初本塁打を運んで、阪神が1点を返した。

板山祐太郎外野手は、「打ったのはストレート。変化球で追い込まれたけど、思い切ってスイングする事が出来た。練習の中でも逆方向への強い打球を意識していたので結果として出てくれて良かった。(プロ初HRについて)素直に嬉しいけど、ここからも試合に集中して終わった後に喜びたい」と話している。

序盤に失点した小野だが、その後は粘り強く広島打線を抑えて追加点を阻止していた。しかし、7回裏 代打エルドレッドに右前安打で出塁を許すと送りバントの構えの1番 田中にストライクを投げる事が出来ず四球を与えたところで、阪神ベンチはマテオにスイッチ。マテオは菊池を追い込みながらも中前安打を浴び無死満塁となる。3番バティスタの右犠飛で1点を追加されるとその後二死満塁から安部・野間・會澤に3者連続押し出し四球。この時点で完全に決着がついたと言えるだろう。

小野泰己投手は、6回0/3(112球)7安打7三振4四死球4失点。決して悪い内容ではなかっただけに制球を乱したイニングが余計に悔やまれる。

6対1とした広島は、8回からジャクソン〜一岡と繋ぎ楽々と逃げ切る。今季5勝目をマークした先発・大瀬良は、要所を締める見事な投球で7回(104球)4安打9三振。失点は、板山のソロだけ。明暗を分けた小野との違いは、無四球だった事に尽きるだろう。

「見ての通りです。ストライクが入らないし、どうしようもない」。マテオの3連続押し出しについて金本知憲監督は、コメントに窮していた。ロサリオは7回表に直球を右前へ返して18打席振りのヒットを打ったが、「(打順変更は)打線の流れとして彼で切れるから、その前に点を取ろうと言う策。今日も変化球に全くついて行っていない。打順は明日また考える」と話した。

「(江越は)一時期よりは良いんじゃない? 足と守備で期待して使ってるから。盗塁は、よく一発で決められたよね。(板山はファームで)よくやってるんでしょう?イイと聞いて上げた訳だから」。今季初の4連敗で「借金」を背負っただけに言葉は弾まない指揮官だが、敗戦の中で江越・板山ら昇格組が奮闘する姿は、明日への希望に違いない。投打の歯車が噛み合わない苦しみを抜け出すには、今しばらくの辛抱が必要だ。

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