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5月19日(tham31) 走る熊谷!新星デビュー

戦評

元気のない打線は長身左腕を攻めあぐね、中盤一気の逆転を許して 阪神が競り負けた。

前回巨人戦(12日・東京ドーム)で初完封を飾った中日先発・ガルシアと対する阪神は『休養日』でスタメンから外れた福留に代わって6試合ぶりにロサリオを4番に戻し、5番 大山。7番センターには江越を配し臨む。立ち上がり、ガルシアは制球を乱し1・2番への連続四球から一死2・3塁のピンチを招く。阪神は4番ロサリオ・二ゴロの間に初回ノーヒットで先取点を入れた。3回表には植田のチーム初安打と盗塁などで一死1・2塁とするが、ロサリオが遊ゴロ併殺打に倒れて好機を逃す。ガルシアは長身からの角度とストライクゾーン内で動くボールを生かして、内野ゴロの山を築いていく。

一方、中日は京田を今季初の1番で起用。2番 大島、5番以降もモヤ・福田・高橋…と打線をテコ入れして来た。阪神先発・小野は初回二死から四球・ヒットで得点圏に走者を背負うも、5番モヤを空振り三振に仕留める。その後も完璧とは言えないまでも真っ直ぐが走って、時折荒れる事が逆にアクセントになるカタチでアウトを重ねる。5回裏には先頭・福田にヒットを許すが、続く高橋を投ゴロ併殺に取って難を逃れた。

6回裏 中日は京田・大島の連打などで一死2・3塁として4番ビシエドの左中間2点適時二塁打で逆転。続くモヤも右前適時安打を放って一気に優位に立つ。クリーンアップに外国人トリオを並べた森監督の策が功を奏して、中日が3対1とリードを奪った。直後モヤが走って来日初盗塁成功かに思われたが、金本監督がリクエストを出してリプレー検証となり判定が覆った。

リードされた阪神は7回表 一死から糸原がチーム2本目となる中前安打を放って出塁するが、フルカウントで7番 江越が見逃し。糸原も盗塁失敗の三振ゲッツーで一瞬にして攻撃が終わった。ガルシアは7回(99球)2安打6三振4四球1失点で交代。自らの制球難から1点は失ったが、前回東京ドームに続く好投で猛虎打線を十分に苦しめる内容だった。

阪神・小野泰己投手は、7回(108球)まで投げて 7安打 3三振 3四球 3失点。抜け球もあったとは言え、5回まではテンポの良い投球でしっかりと要所を締めていただけに、6回のピンチで両外国人から立て続けに初球を痛打された事が残念でならない。

中日は8回表リリーフに鈴木博を投入する。江越と代打・伊藤隼のヒットなどで二死2・3塁と一打同点の場面を作ったが、頼みの3番 糸井はフルカウントからの内角へ沈むカットボールに空振り三振。大きなチャンスを逃した。尚、この攻撃で伊藤隼の代走としてプロ初出場のルーキー熊谷が、さっそく二盗に成功してプロ初盗塁を決めている。達成直後 ショートを守る立教大学の1年先輩である中日・京田からさり気なく祝福される場面が、今は敵味方とは言え微笑ましく映った。

中日守護神・田島が登場した9回表 阪神はロサリオの中二塁打から抵抗するが、6番 糸原・二ゴロの間に1点を返すのが精一杯。最後は代打・福留が倒れ 結局3対2と接戦に敗れ、勝率5割復帰はならなかった。

「(試合終盤は)いつでも行ける準備をしていた。走れた事は、自信になった!」。打線が深刻な状態の中、ドラフト3位ルーキー熊谷敬宥内野手が代走出場で直ぐにプロ初盗塁をマークした事が明るいニュースだ。

「足を使っても、打つ方が…。4安打では、点取れんわな!」。金本知憲監督・嘆きの一言が全てだった。11試合連続ヒト桁安打で、9日以降は一試合4点以上入っていない。苦しい状況の中、踏ん張ってくれている投手陣に報いる為にも1日も早い打線の奮起が待たれる。

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