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10月3日(40Asia/Tokyo03) ルーキー島田2番で躍動 !

戦評

序盤の優位を途中覆された阪神は、粘り強く追いつき延長戦に持ち込んだが、最後は決定力の差で力尽きた。

マツダスタジアムでの対広島今季最終戦。広島先発・九里に対する阪神は2番に島田を入れ、5番 ナバーロ 、6番 伊藤隼。8番には森越を配置して臨む。初回 糸原・四球と島田のプロ初ヒットとなる右前安打に捕逸が絡み一死2・3のチャンスを迎えた阪神は、大山が浅い右飛に倒れ二死となるが、5番ナバーロが中前適時安打を放ち2点を先制した。

エフレン・ナバーロ内野手が振り返る。「打ったのはスプリット。少し内側に入ってきたボールをミスショットせずに打つ事が出来たよ。初回から先制点を取ることができて良かったね!」。

阪神先発は、8月10日以来 日米通算99勝で足踏みが続くメッセンジャー。優勝を決めている広島は、スタメンから菊池を下げて2番 野間、5番メヒア、8番に曽根を起用するなどCSを睨んで色々な選手を試すスタンスで臨む。メッセンジャーは立ち上がりから安定した投球で4回までノーヒットに抑える好投を見せた。

九里もその後は立ち直って、走者を背負っても粘り強い投球。3回表二死1・2塁でナバーロが左飛に打ち取られるなど、阪神は追加点を奪う事が出来ない。すると5回裏 メッセンジャーは先頭・鈴木に初球を狙われ左前安打でチーム初ヒットを許すと、続く5番メヒアに釣り球が中途半端な高さに入ったところをものの見事にレフトスタンドへ弾丸ライナーで運ばれる 3号2ランを浴びて追いつかれる。更に安部にも左前安打を打たれた直後、7番 會澤に変化球を捉えられて左中間へ勝ち越し適時二塁打を浴びて、この回一気に逆転されてしまった。

リードを奪った広島は、6回からリリーフを投入。これもポストシーズンを意識してか?これまで先発だった岡田を中継ぎで起用したが、岡田は6回表を3者凡退に抑える。7回表は広島3人目・永川が登板するが、梅野・四球と犠打で一死2塁となる。ここで阪神がメッセンジャーに代打・鳥谷を送ると、広島は永川からヘルウェグにスイッチ。鳥谷は見逃し三振に倒れるが、糸原・内野安打と島田・四球で二死満塁のチャンスを作った。ここで3番 福留がしぶとく押し出し四球を選んで、阪神が3対3とする。

追いついた阪神も投手リレーへ。7回裏から能見が登板して2イニングを無失点に抑える。広島も8回 ジャクソン〜9回 今村と繋ぐ。9回表は二死1・3塁と勝ち越し機を演出した阪神だが、3番 福留が二ゴロに打ち取られる。その裏は阪神3人目・ドリスが丸・鈴木を連続見逃し三振に斬るなど3人で片付けて、試合は延長戦に入った。

10回表 阪神はナバーロの左中間二塁打と梅野・内野安打で広島・中田から二死1・3塁の好機を作るが、代打・高山が左邪飛に倒れて、あと一押しが出来ない。その裏 登板した阪神4人目・桑原は先頭・安部に左越え二塁打を打たれてピンチを招くが、一死後 代打・松山は申告敬遠。代打・小窪を右飛、1番 田中藩空振り三振に仕留めて、何とか脱出している。

11回表にも阪神は、広島8人目・アドゥワを攻めて糸原・四球と島田の内野安打で一死1・2塁の絶好機を迎えるが、3番 福留が二ゴロ併殺打に倒れて勝ち越す事が出来ない。その裏 阪神5人目・岩崎が一死後 丸に四球を与えると、4番 鈴木には6人目・岡本をぶつけるが、鈴木にレフト線ギリギリに入るサヨナラ適時二塁打を浴びて遂に決着となった。4対3で広島が阪神を破った。終盤から押し気味に試合を進めた阪神だが、チャンスに決定打を欠いて惜敗。痛恨の3連敗となった。

これで阪神は自力でのCS進出が消滅した。 「あと一本。ずっとチャンス作ってたんですけどね。勝負どころで一本、あと一本。得点圏での勝負強さというものが…」。金本知憲監督は、今季何度も口にしたフレーズで試合を振り返った。メッセンジャーは、悔やまれるのは5回裏だけだったが、「長打力のね、一振りで2点ですからねー」と相手を称えるしか言葉がない。

それでも、2番に抜擢したルーキー島田は、プロ初安打を含む2安打を記録した。「そうですね。まぁ、2本打てば十分だと思いますし…」と指揮官は、少しだけ表情を緩める。「選手はホンマ(必死に)やってくれてると思うし。今の戦力で、もう戦うしかないんですけど。今いるメンバーで…。全力で勝ちに行きますけど。やるだけですね!」。どんなに窮地であっても最後まで戦い抜く決意を示して、今季最後のマツダスタジアムを去って行った。

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