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4月18日(JST12000000) 大山だ!中谷だ!岩田復活星!!

戦評

立ち上がりから主砲の一発で勢いづいた阪神が、今季最多安打・最多得点の猛攻でヤクルトを圧倒した。

東京ヤクルト今季初先発・大下に対して、福留を休ませた阪神は、2番 北條。5番に糸原を抜擢し、6番レフトで中谷を起用する。初回先頭・近本が二ゴロで間一髪アウトになると矢野監督が、いきなりリクエスト。検証結果は変わらなかったが、指揮官の熱い思いがナインを動かす。北條・左二塁打と糸井・四球で走者が溜まり 4番 大山が左中間へ先制3号3ランを放り込む。更に糸原が左中間二塁打で作ったチャンスに6番 中谷も左適時安打と畳み掛けて1回表に一挙4点を挙げた。

先制本塁打の大山悠輔内野手が振り返る。「打ったのはカットボール。ファーストストライクからしっかり強く振ることが出来た事で、次の甘い球を仕留める事が出来たと思う」。スライダーを捉えた中谷将大外野手は、「先制した直後に良い流れで打席が回ってきたので、チャンスで何とかもう一本出したい!という気持ちだった」と話している。

阪神先発は、ベテラン左腕・岩田が今季初登板。いきなり1番 太田に左中間二塁打を浴び、サインミスによる捕逸で無死3塁のピンチとなる。青木はセーフティ・スクイズ失敗の捕ゴロに倒れるも、岩田は3番 山田哲の中前適時安打で初回に1点を返された。

3回表 阪神は、先頭4番 大山が甘いカットボールを捉えてレフトへ2打席連続の4号ソロ本塁打を運ぶ。「前の打席と同じように思い切り振って行った。先制後に取られた1点を早く取り返したかったので、本塁打ですぐに取り返す事が出来て良かった」と大山は、手応え十分の表情だ。

この後、糸原・梅野にヒットを許したヤクルトは一死1・3塁の場面で大下−松本直の2年目バッテリーをセットでベンチに下げる。2人目・中澤(捕手・西田)に対して、矢野監督も8番 木浪に代打・上本を告げる積極采配。上本はレフトへ犠飛を打ち上げ、阪神がこの回2点を追加して6対1とリードを広げた。「打ったのはストレート。良い攻撃が続いていたので、代打での打席だったけど、流れの中で最低限の仕事は出来た」。上本博紀内野手も納得の打席に内心ニンマリである。

続く4回表 近本が左二塁打で出るとベンチは5点差で北條にバントで送らせる。すると3番 糸井がセンターへきっちり犠飛を放ち、阪神が7点目を挙げた。更に大山が3打席連続長打となる左越え二塁打。5番 糸原も3打席連続安打の中前適時安打と続くと、次の中谷は左中間最深部へ3号2ランを突き刺して遂に2ケタ得点。10対1と大きく水を開ける。

その裏 岩田は、先頭3番 山田哲にスライダーを弾丸ライナーでレフトへ運ばれる4号ソロ本塁打で1点を失う。反攻に転じたいヤクルトだが、「総合的に判断した」小川監督はこの回限りで青木・山田哲・バレンティン3選手を早々とベンチに下げ若手中心のオーダーに切り替えた。長いペナントレースを戦う中では、こうした割り切りも必要なのかもしれない。

6回表 阪神は、中谷がヤクルト3人目・風張から左中間へ2打席連続アーチとなる4号2ランを放つ。「打ったのはシュート。ファーストストライクを積極的に振っていこうと心掛けて打席に入った。バッター有利のカウントで、甘い球をしっかり捉えることが出来た」。中谷自身、会心の当たりにご満悦である。

7回表にも阪神は1番 近本がセンターへ3号ソロ本塁打を放つが、ヤクルトもその裏 高卒2年目の新鋭7番 村上が左中間へ5号ソロアーチで岩田を揺さぶった。

それでも、大量援護に恵まれた岩田は省エネ投法で乗り切り、9回裏 大引に中越え適時二塁打を浴びて2点を返されるも、阪神が13対5で東京ヤクルトに大勝を飾った。「(大山は)4番として初めて仕事したんじゃないかな?決勝点をあげたからね。自分で決める!という力強さが出て来た。スイングが力強くなっている」。5本塁打で今季最多16安打と打線の爆発に濱中 治打撃コーチもえびす顔だ。

岩田は、118球を投げて9安打4三振1四球5失点。2017年10月1日巨人戦(東京ドーム)以来の一軍白星を4季振り完投勝利で花を添えた。「(勝利の味を)忘れてましたね!嬉しいです。ヤクルト打線は凄い強力なので、引いてしまったら負け。自分のスタイルを前面に出して行った結果、ゴロアウトが多かったという事。(完投は4年振りだが)そんな前?あんまり昔過ぎて覚えてない。恥ずかしいですね」。ヒーローインタビューで岩田 稔投手は、照れまくっている。「(打線が)めちゃ凄かったですね。うわぁ〜うわぁ〜って、何回言わすねん!」。1人ノリツッコミも快調である。

矢野燿大監督がベテラン左腕を讃える。「序盤は球が浮いてるかな?という感じがあったけど、回を追う毎に修正してくれた岩田らしい投球だったと思う。(ファームでも黙々とやって来て)そういう諦めない気持ちが今日に繋がったと思うし、打線も本当に援護してくれたんで岩田も乗っていけた。岩田にとってもチームにとっても大きな一勝になったと思う」。一方で大山・中谷らの本塁打量産に関しては、「いや、まだまだでしょう。明日は菅野だから、そういう投手に対してどういう打撃を見せて行けるのか?そういう投手から打つというのが、ユウスケとかマサヒロにとって本当に力をつけたというところになって来ると思うんだけど」と語り、更なる成長を促していた。

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