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8月17日(tham31) 西 執念の力投も報われず

戦評

初回先制機を逃し後手を踏んだ阪神が、先発右腕の粘りに報いる事が出来なかった。

土日はデーゲームとなる東京ドーム・伝統の一戦。巨人先発左腕・高橋は、阪神戦の防御率1.50と良い数字を残している。対する阪神は2番に北條を入れ7番 陽川など左投手を意識した打線で臨む。初回先頭・近本は初球バントヒットを決めて二盗成功。その後、福留・ソラーテの四球や近本・三盗もあって二死満塁で6番 大山に回るが、詰まった遊直に倒れビッグチャンスを逃した。

阪神先発・西は、今季20試合目の登板となるも巨人戦は未勝利。巨人は5番に阿部を置き応戦する。立ち上がり 亀井を見逃し三振に斬った西だが、2番 坂本勇に初球スライダーを叩かれて左中間スタンドへ届く32号ソロ本塁打を浴びて先取点を奪われる。制球力の高い西だが、これで15試合連続と先制されるケースが非常に多いのも今季の特徴だ。それでも、2回以降は時折走者を背負うも牽制球で刺すなど粘り強く追加点を防いで行く。

2・3回は3者凡退に抑え込んだ高橋に対して4回表 阪神は先頭マルテが左前安打で出塁するが、後続が倒れ得点には繋がらない。5回表も四球の梅野を西が送って一死2塁とするも近本・投ゴロ。梅野が隙を突いて三盗を決めるが、2番 北條も遊ゴロに打ち取られた。その裏二死から高橋・亀井・坂本勇の3連打で 巨人は満塁と攻めつけるが、西が3番 丸を際どいタイミングの一ゴロ(リプレー検証も判定変わらず)に辛うじて打ち取った。

6時裏 巨人は岡本・阿部の連打とゲレーロの来日初犠打で一死2・3塁。大城・四球で満塁となるが、8番 若林は三邪飛。高橋の代打・石川は当たり損ねの三ゴロとなり微妙なタイミングだったが、巨人のリクエストも判定は同じ。西が大ピンチを踏ん張っている。

巨人・高橋は6回(92球)2安打6三振4四球 無失点。初回のピンチを切り抜けた後は、直球を上手に使って制球も安定して見事に立ち直り、素晴らしい投球を見せた。巨人は逃げ切り体制に入って、7回表は澤村が抑える。

孤軍奮闘となった西は、6回(98球)7安打 5三振 3四球 1失点で無念の降板。「先制を許してしまったことは反省だが、内野の声掛けも含めたバックの守備。梅野のリードに助けてもらい、その力をもらってピンチの場面でも粘って抑える事が出来た」。またしても勝ち星に恵まれなかった西 勇輝投手だが、再三の危機を乗り越え最少失点で試合を作った。素晴らしい投球内容だったと言えるだろう。交代後も、西はベンチで手を叩き声を張り上げて、猛虎ナインを必死に鼓舞している。

7回裏 阪神は通算400試合目の登板となるリリーフ能見を投入するが、先頭・亀井に二塁打を浴び連続四球で無死満塁となり、4番 岡本・右犠飛。続く阿部にも右前適時安打を打たれて2点を失う。代わった3人目・守屋も6番ゲレーロにレフトフェンス直撃の適時二塁打を浴びて4対0。巨人に差を広げられてしまった。

8回表 阪神は一死後、巨人3人目左腕・高木から2番 北條がレフトスタンドへ4号ソロ本塁打を放つと、3番 福留もスライダーを捉えてライトへ6号ソロを叩き込む2者連続本塁打で2点を返して意地を見せる。しかし、9回表は、前夜と同じくデラロサに3人で抑えられて4対2。敵地で阪神が痛い連敗を喫した。首位巨人は3連勝で高橋は5勝目。

「思い切り行きました!」。意地の一発を放った北條史也内野手は、それまでの3打席で結果を出せなかった事を悔しがる。特に初回無死2塁で見逃し三振に倒れた場面については、「あそこで仕事が出来ていれば、展開は変わっていた」だけに2番打者としては口惜しいばかりの様子だ。

「チャンスで1本が出ないというのは変わってないんでね。一人一人が自分を変える位の気持ちでやって行かないと変わらない。プロとして同じような負け方で本当に悔しい」。前夜よりも高ぶる感情を抑えながら、矢野燿大監督は出来るだけ冷静な口調で振り返った。終盤に連続アーチで反撃したが、「展開的には、ああなるんだ。点差が離れれば、相手投手の攻めも変わってくるから。だから、接戦の内に1点取りたかった。(そうする事が)やっぱり、本当の強さになるのだから」。・・・本当に強いチームになる為に!指揮官の挑戦は、まだまだ道半ばである。

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