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9月26日(tham30) 救援・藤浪が決勝被弾

戦評

苦しい台所の中、粘りの継投で懸命に試合を作った阪神だが、チャンスで決定打を欠き1点に泣いた。
    
今季3勝をマークしているヤクルト先発・スアレスに対する阪神は、2番に北條。6番捕手で原口を起用して臨む。

阪神は、ガンケルが約3ヵ月振りの先発マウンド。ヤクルトは前夜のオーダーを踏襲する。初回いきなり坂口・死球、青木・中二塁打、山田哲・四球で無死満塁となって4番 村上の右前適時安打で先制されるが、後続を抑えて何とか最少失点にとどめた。久々の先発でリズムが掴めない立ち上がりだった。2回裏は先頭・西田に右前安打を許すも、スアレスのバントを見事なフィルディングで併殺に仕留めている。

3回表 阪神は一死から近本・北條の連打で1・3塁として3番 糸井・ニゴロの間に同点に追いついた。

ガンケルは4回裏 四球と西浦・左前安打で無死1・2塁とされるが、エスコバー・右飛の後、8番 西田をツーシームで遊ゴロ併殺に取ってピンチを脱出した。結局この回まで投げて、4回(70球)4安打2三振3四死球1失点でリリーフへと繋いでいる。ジョー・ガンケル投手は、「初回にピンチを作ってしまったけど、何とか1点で我慢する事が出来た。もう少しイニングを投げる事が出来ればベストだったけど、試行錯誤しながら、チームの為に何とかゲームを作る事は出来たと思うよ」と話した。

5回裏 阪神は、2人目に藤浪を指名する。2013年4月7日広島戦以来7年ぶりプロ2度目の中継ぎ登板となったが、この回は青木のヒットだけに抑えた。6回表 先頭・糸井が四球を選んで出た阪神は、4番サンズが意表を突いたバントを転がすもスアレスの好守で糸井は二封。続く大山が遊ゴロ併殺打に倒れて、ヤクルトへと流れが向かった。

するとその裏 藤浪が先頭4番 村上にバックスクリーンへ勝ち越しの18号ソロ本塁打を浴びてしまう。失点した藤浪だが、全体的にはまとまった良い投球内容だったと言える。「慣れない中継ぎ登板だったけど、ボール自体は悪くなかったと思うだけに、村上選手へのあの浮いてしまった1球が悔やまれる。(リリーフ登板については)CSや昨年フェニックスリーグでも経験していて、まったくの初めてというわけではないので、試合に入っていけたとは思う」。藤浪晋太郎投手は、淡々と振り返った。

7回表 阪神は二死1塁に死球の小幡を置いて、藤浪の代打・高山は遊撃後方へフライを打ち上げたのをショート西浦が落球。走者・小幡は一気に本塁を突いたが、間一髪判定はアウトとなる。矢野監督のリクエストも実らず、阪神は追いつく事が出来ない。その裏 阪神3人目・斎藤は、代打・山崎のヒットから度重なる暴投などで二死2・3塁と窮地に立ったが、3番 山田哲を変化球で空振り三振に仕留めて脱出した。齋藤友貴哉投手は、「先頭を出してピンチを招いてしまったけど、1点差の展開で粘って0で抑える事が出来たのはは良かった」と話している。

ヤクルト先発・スアレスは、7回(95球)3安打3三振4四死球1失点で救援陣に託す。バックの好守に助けられながらも見事な投球だった。2人目・清水が登板した8回表 阪神は二死から糸井が四球。代走・植田の盗塁が敵失を呼び三進して、サンズは四球を選ぶ。代走・島田も二盗を決めて一打逆転のチャンスだったが、5番 大山は変化球に空振り三振に倒れた。

9回表 ヤクルトは守護神・石山が投げる。一死から原口がレフトフェンス直撃の二塁打で出塁。阪神は代打攻勢をかけるも中谷・上本が連続空振り三振に倒れて試合終了となる。2対1で東京ヤクルトが接戦を制した。

8回表の攻撃後、攻守交代時に審判団と阪神首脳陣が5分以上も話し込む場面があった。試合後も両者が再び話し合いを待ったのだが、リプレー検証の際、記者席と選手が判定について何らかのやり取りをしたと審判団が感じ、その事を阪神ベンチに確認したらしい。それに対して矢野監督が、それは全くの誤解であると説明して理解を求めたという事だった。阪神には、何とも後味の悪い3連敗である。

「(藤浪は)まあまあ良かったんじゃないかな。しっかりとしたところには投げてたと思うし。(村上の1発を浴びたが)それは勝負行ってるから。勝負の中なので」。矢野燿大監督は、結果的には負け投手になったリリーフ・藤浪を責めはしなかった。今後の起用法に関しては、「こんな状況なので、どこでどう使うか?というのは、ちょっと計算出来ない。中継ぎもこれだけ投手がいなくなっちゃったんで、パターンでは組めない。晋太郎の使い方もどうなるか?は、まだ未定なんで」と言葉を濁す。投手陣が苦しいだけに、「やっぱり点取らないと苦しい。やっぱり打者が点取らんと!」と話して、切実な思いを口にしていた。

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