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6月16日(tham30) 中谷!高山!土俵際の逆転

戦評

息詰まる投手戦が終盤に急展開。阪神が土俵際でうっちゃり見事な逆転勝利を飾った。

東北楽天 先発のエース則本に対して阪神は、福留・糸井・伊藤隼とクリーンアップに左打者を並べる。初回は糸原の右前安打と俊介・犠打で一死2塁とするが、福留・糸井が連続三振に倒れた。この日は送りバントを多用して走者を手堅く得点圏に進める戦法を取る阪神。3回表にも先頭打者で出塁した梅野を植田が送るも、ギアを入れ換えた則本に抑えられる。5回表も先頭・鳥谷が左中間二塁打で出塁したが、中谷・梅野が連続三振を喰らうなど後続が沈黙した。則本は最近3連敗中だったが、この日は本来の力強い投球で阪神打線を封じて行く。

阪神先発・岩貞は初回先頭・田中にヒットで出塁を許すが、一死後3番 今江を遊ゴロ併殺に打ち取るスタート。2回裏にも先頭・ディクソンに投手強襲安打を浴びるが、自らの好フィールディング(バント処理)もあって後続を抑え込む。4回裏は藤田の左中間二塁打と2四球で一死満塁のピンチを迎えるが、アマダー・茂木を連続三振に仕留めて脱出している。

その後も一歩も引かない投手戦が続いた。則本・岩貞共に走者を背負いつつも要所要所でツボにはまった投球を見せた。そして、8回裏 楽天は嶋・藤田の長短打で一死1・3塁とピッグチャンスを作る。ここで阪神ベンチは、岩貞を諦めて桑原にスイッチ。桑原は3番今江を追い込みながらも巧みな右打ちのライト線先制適時二塁打を浴びて、ついに均衡が破れた。それでも、その後のピンチは桑原が踏ん張って最少失点に抑えている。

岩貞は7回1/3(121球)6安打6三振2四球1失点。球界を代表する投手との投げ合いとなったが、則本より先にマウンドを降りた事が心残りだったには違いない。香田勲男投手コーチは、「今年の岩貞は粘れる!そう言う投球を見せてくれている」と賛辞を惜しまなかった。

9回表 阪神は完封目前の則本から先頭 伊藤隼が四球で出塁すると、代走に地元仙台育英高出身の熊谷を送る。鳥谷・犠打で一死2塁となり、7番 中谷が変化球をセンター右へ落とす起死回生の同点適時二塁打を放つ。更に代打・原口もヒットで続き1・3塁。ここで植田の代打・高山が果敢に初球スプリットを捉えての左前適時安打で鮮やかに勝ち越した。

楽天・則本昂大投手は、8回1/3(136球)9安打11三振2四球2失点で無念の交代となった。しかし、8回まで毎回三振を奪うなどパワーと技を兼ね備える投球術は、さすがである。チーム不振の責任を背負っての力投は、全身から気迫が漲っているように感じられた。

その裏 2試合連続クローザー登板となった藤川は、二死後 代打・銀次の中前安打から盗塁・四球で1・2塁とされる。長打なら逆転サヨナラのピンチを招いたが、最後は1番 田中を何とか捕邪飛に打ち取り試合終了。阪神が2対1と際どく勝って、敵地仙台で交流戦初のカード勝ち越しを決めた。(勝利投手は桑原で今季初勝利。藤川は2季振りのセーブを記録)

また、敗れた東北楽天の梨田昌孝監督は、試合後 パリーグ最下位に沈むチーム不振の責任を取って辞任を申し出ている。

「岩貞さんがずっと頑張っていたので先に点を取りたい気持ちがあったし、自分の中でも今日はバントミスだったりミスをしてたので、何とか返してやろうと打席に立った。何も考えずに、凄い投手なので食らいついて行こうという思いだけだった」。ヒーローインタビューは、2戦連続で勝負強い打撃の中谷将大外野手だ。「去年は全然チャンスで打てなかったので、今年はしっかり走者を返すという強い目標があったので。しっかり今のところは貢献出来てるんじゃないか?と思う」と話して胸を張った。

「(中谷は)1点ビハインドの、しかも9回。一番プレッシャーがかかる。(そう言う厳しい局面で)勝負強いところを見せてくれた!」。金本知憲監督も若き大砲候補の働きに目を細める。「1点勝負になると思っていた」中で、決勝打の高山も「大事な場面でよく打った!」と指揮官は讃える。

素晴らしい内容だった岩貞については、「急にガクっと来たところが」唯一残念だったようだが、見事に則本と渡り合った内容には高い評価である事に変わりない。「前半は則本が強くてなかなかだったけど(最後に)続けて打ってくれた。(則本という)相手エース相手にひっくり返した。チーム・選手が自信にして手応えを感じて欲しい!」。瀬戸際での粘りが実を結んだ大きな1勝に金本監督は、満足そうな笑顔を浮かべていた。

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