10月10日(JST12000000) 土俵際・・もう4連勝しかない!

戦評

苦手左腕に要所を抑えられて序盤から劣勢に立った阪神が、見せ場を作れないまま完敗を喫し、巨人に日本シリーズ進出へ王手をかけられた。

台風接近中の日本列島だが、連休中の計画運休等を考慮して12日(土)第4戦の中止順延が発表となった東京ドーム。巨人先発は、過去阪神戦4勝負けなしの左腕メルセデス。阪神は近本・北條の1・2番に戻し、6番以下は高山・梅野・木浪と並ぶ打線で臨む。初回阪神は一死から北條が内野安打で出て、福留・空振り三振のタイミングで盗塁を決めて二死2塁の先制機を作ったが、4番マルテはスライダーを打ち 投ゴロに倒れる。

阪神は、若き左腕・高橋遥を3回1安打無失点と好投したファーストステージ最終戦から中2日で先発に立てる。王手をかけたい巨人は、上位4人は前夜と同じ。阿部をベンチスタートに回し、5番ゲレーロ。後は大城・若林・田中俊と続く打線だ。高橋遥は立ち上がり 亀井のライト線二塁打と坂本勇・右前安打でいきなり無死1・3塁のピンチを招き、3番 丸・遊ゴロ併殺打の間に1点。初戦に続いて初回の先取点を許した。

先手を取られた阪神は、3回表 投手の打順で代打・上本を起用して早い仕掛けに出る。メルセデスから再三走者を出して盗塁などで揺さぶるが、なかなか決定打が出ない。制球よく尻上がりの内容で、この後もゼロを重ねて行った。阪神先発・高橋遥は、2回(29球)2安打1三振1四球1失点。

阪神は3回からガルシアを投入するが、4回裏 先頭・岡本の左二塁打で走者を背負うと5番ゲレーロに変化球を叩かれレフトスタンドへ弾丸ライナーの手痛い2ランアーチを浴びてしまう。5回裏には3人目・島本が投げる。亀井のこの日3安打目となる右中間二塁打と坂本勇・四球で一死1・2塁とされ3番 丸の初球に鮮やかな重盗を決められる。これが大きなポイントとなり、阪神バッテリーの心が揺さぶられた。ここで巨人は、丸が左犠飛。岡本も右前適時安打で続いて、5対0と試合の流れを完全に持って行く。

メルセデスには理想的な援護点が追い風となって、左腕はその後も阪神打線を翻弄。7回(104球)3安打6三振 無四球 無失点と抜群の内容でゲームを作った。巨人打線は8回裏にも阪神5人目・守屋を攻める。代打・阿部の右前安打から二死3塁とチャンスが広がって7番 若林の右前適時安打でダメ押し点を入れた。巨人は8回・大竹から9回表はガルシアへと繋いで猛虎打線を完封。6対0と連勝を飾り、アドバンテージを含め3勝0敗として日本シリーズ進出へ王手をかけている。 

阪神は、完敗の上に9回表3番福留が右ヒザ付近に死球を受けて、まさに泣きっ面にハチ。文字通り窮地に立たされた。この2試合 巨人打線は非常に振れている。先発投手も安定した内容で阪神に隙を与えていない。ただ、阪神ナインがチーム一丸となって精一杯のプレーをしている印象は全く変わらない。シーズン終盤から追い詰められた戦いが続いて疲れも相当だろうが、今一度の奮起が求められている。

「(メルセデスは)尻上がりと言うか、普通よりは良いかな?という感じでは観てたけど。(高橋遥について)流れ的には、いきなり(亀井に)出られて(坂本勇も)ヒットやったんで、1点でよく収まったなと言うのと、やっぱり こっちとしては先に点やって欲しくないなと言う部分と両方(の思いがある)」。矢野燿大監督は、務めて冷静に振り返った。この試合では救援陣も失点を重ねたが、「勝負に行ってるんだから打たれる事もあるし。攻める姿勢というのは見せてくれてるんで。勝負の結果と言うのは、受け止めるしかないんでね」と話して、ブルペンを責める言葉は一切発していない。

遂に一歩も引けない崖っぷちとなったが、指揮官には何の迷いもない。「(選手に求めるものは)無いよ、もう。ずっと言ってるけど、苦しい時にどうやって楽しむ、だとか・・苦しい時こそ前向いたり、苦しい状況をプロで楽しむという事は、なかなか簡単な事じゃないんだけど、そう言ってずっとチームとしてやって来たんでね。明日も全員で、この土俵際に追い込まれたところから、ウチは4連勝しかないんで。それを狙って、またみんなでやって行くと言う結果になったんで。うん、それは目指してやって行くしかないので!」。この状況だからこそ、ファンは『奇跡の扉』が今一度開かれるのを心底待っているに違いない。

戦評一覧へ戻る

MENU

  • 虎魂