虎の4番に本来の姿が戻ってきた。前日に1軍復帰した大山はいきなり複数安打の活躍を見せたが内容はどちらもゴロ打球で内野の間を抜いたもの。ファンが待っていたのは放物線だ。2回、先頭打者として迎えた第1打席に先制アーチを描く。緩い変化球をしっかり引きつけ力強い打球をレフトスタンドに運んだ。

「チームとして先に点を取ることができてよかったです」

先発の伊藤将は雨の降り始めた3回に3点本塁打を被弾してしまうが頼れる4番がまたしても仕事をこなす。2点を追う4回に中野の安打から無死1、3塁とすると「しっかり後ろにつないでいく意識でした」という大山がレフト前に適時打を放ち1点差に迫った。

大山の2打点の活躍で反撃したものの伊藤将は6回に適時打を浴びリードを広げられてしまう。一発を除けばまずまずの内容だったが6回4失点の投球に「全体的には低めに集めることができたと思います。ミスがあった時こそ、絶対に抑えるという気持ちで投げていましたが、カバーすることができずに悔しいです」と話した。

継投に入った7回にも失点しビハインドは3点に。8回に小幡がライトへ大きな打球を放ったが柵越えには届かず。上位打線の攻撃となった9回も三者凡退に打ち取られ逆転はならなかった。

大山の復調は頼もしいが守備陣が3失策と乱れては勝利することは難しい。カード勝ち越しを目指す明日の試合は安定感抜群の才木のピッチングで梅雨空の湿った空気を吹き飛ばす。