ルーキーの伊原が先発するゲームで下位打線には中川、榮枝、熊谷とフレッシュな名前がスタメンに並んだ。勝てばさらに勢いが増すはずだったが伊原は初回に先頭打者への四球と悪送球でピンチを招くと適時打を2本浴びて3失点。いきなり球数34球と苦しい立ち上がりとなってしまった。
それでもその裏に2死3塁のチャンスを作ると佐藤輝が左中間へ適時2塁打を放ちすぐに1点を返した。3回にも近本、中野の連打で1死2、3塁とし森下が大飛球を放つ。外野手の頭を越えて長打とはならなかったものの飛距離は十分、犠牲フライにより1点差に迫った。追い上げムードが高まる中、伊原は4回に追加点を奪われるが傷口は広げない。ショート・熊谷の好守備により最少失点で食い止めマウンドをリリーフ陣に託した。
「自分でエラーもしてしまいなかなかリズムに乗れないなかで、一工夫することができませんでした。早い回で交代となってしまい中継ぎのみなさんにも申し訳ないです」
2-4と2点を追うことになった直後の攻撃では熊谷が2死3塁からファウルで粘りしぶとく1、2塁間を破って再び1点差に詰め寄った。
シーソーゲームの様相を呈してきた中盤の5回、ネルソンがつかまり2失点。6-3となるとこの3点差が遠いままイニングが進んでしまった。ビハインドの状況ではあったが9回にはドリスが6年ぶりに甲子園のマウンドへ。かつての守護神が1回無失点で復帰登板を飾った。
連勝はストップとなってしまったがこれは次につながる黒星だ。多くの選手が経験を積み、来るべき決戦に備えて戦力の見極めも始まっている。明日からは夏のロードが続く。1ヶ月後、甲子園に戻ってくる時にはチームはより強く、マジックはもっと小さくなっているはずだ。