「ウル虎の夏」に次ぐ真夏のイベント、「ブラック ダイナマイト シリーズ」。物騒な名称が最も似合う主砲が大暴れだ。
初回、中野の安打と盗塁で2死2塁とすると佐藤輝の放った鋭い打球が1塁線を破る。先制の適時2塁打を放った。
「先制点ほしかったので良かったと思います」
追加点も佐藤輝のバットが叩き出した。3回2死から右中間へ滞空時間の長いアーチを描いた。
「しっかり狙い通り打てたのでいいバッティングが出来たと思います」
これが31号で本塁打リーグ2位の森下の16本にほぼダブルスコア。投高打低の環境で1人だけ異次元のパフォーマンスを続けている。
5回には佐藤輝、大山の連打から無死満塁とすると坂本の適時打で加点。前半だけで10安打を記録しリードを3点に広げた。
先発の才木も問題なし。9連戦の6戦目、長いイニングを投げてほしい試合で5回まで無失点で6三振を奪いながら球数は66球。圧巻だったのは失点した6回だ。被弾しさらに1死1、2塁と走者をためて中軸を迎えたがピンチの場面でストレートは凄みを増した。ヤクルトの4番・村上をストレートのみで3球三振。最後はアウトローいっぱいに豪速球を突き刺した。オスナに対しても力勝負でサードファウルフライに打ち取り1失点のみで切り抜けた。
打線は6回に大山の適時2塁打、8回に高寺の適時打で5-1としリードを4点に広げる。佐藤輝、大山、高寺が猛打賞で打線全体としても16安打を放ち常に攻め続けた。
援護点をもらった才木は8回まで1失点。9回に3安打を浴び1点を返されなおもピンチは続いたが最後は佐藤輝のファインプレーで試合終了。最後まで1人でマウンドを守り抜き節目の10勝目を挙げた。
「疲れました。9連戦で中継ぎもすごく頑張ってくれてるところで何とか先発で完投出来たらいいなと思っていたので最後まで思い切って腕振って投げました」
6カード連続勝ち越しでマジックは29となった。明日からは広島3連戦で初戦の先発は好相性の大竹。つながる打線と広島キラーにとって雨以外に敵は見当たらない。