東京ドームに乗り込んでの首位攻防戦。試合開始直後に近本のバットが敵地を沸かせた。レフト前に安打を放ち新人から7年連続130安打を達成。これはミスタープロ野球、長嶋茂雄氏に並ぶプロ野球タイ記録だ。
4回にも猛虎打線の活発さにレフトスタンドの熱気は高まった。四球で出塁した佐藤輝を1塁に置いて大山が先制の2点本塁打を放つ。
「(伊藤)将司が頑張ってくれていたので、先制点を取ることができてよかったです」
走者がいなくなってもここからもう一度チャンスメイクできるのが強み。坂本の安打と小幡の四球で走者をため、伊藤将の送りバントで得点圏に走者を2人置いた。2死2、3塁から近本が巧みな打撃技術で三遊間を破ってレフト前に運ぶと2者が生還。大きな追加点を奪いリードを4点に広げた。
「先制したあと簡単に終わらずに、チームとしていい攻撃だったと思いますし、その中でランナーを還すバッティングできてよかったです」
先発の伊藤将は低めとコースを的確に攻めて巨人打線を寄せ付けない。5回まで66球で1安打無失点。2塁を踏ませぬ完璧な投球で試合を作った。ところが4点リードの6回に2安打を浴びて2死1、3塁のピンチを招くと3点本塁打を被弾してしまう。完封も狙える投球から一転、悔しいイニング途中での降板となってしまった。
「野手のみんなに4点取ってもらって投げやすい展開を作ってもらったのに、交代となった6回は先頭を出してしまったことと2アウトから1番ダメな長打で失点を許してしまいました」
1点差に迫られたが7回に突き放す。近本の安打と中野の送りバントで1死2塁とすると森下が適時3塁打を放つ。前日迎えた25歳の誕生日を自ら祝う一振りでリードを2点に広げた。
しかし自慢のリリーフ陣に綻びが出た。7回にハートウィグが同点の2点本塁打を被弾。8回には湯浅が勝ち越しの犠牲フライを打たれてしまう。
5-6と1点ビハインドで迎えた9回は上位打線が三者連続三振に封じられ追いつくことはできなかった。
明日の先発は村上。伝統の一戦にエースをぶつけマジックを減らしたい。