フレッシュな顔ぶれがオーダーに並んだ。1番を熊谷が打ち、栄枝がスタメンマスク。井坪が1軍昇格即スタメンに名を連ねた。虎視眈々とレギュラーを狙う選手たちがしっかり結果を残した。
1点を追う2回、佐藤輝と大山の連打で1死1、2塁とすると栄枝が鮮やかな流し打ちでライト前に弾き返す。今季初安打は同点の適時打となった。
嬉しい初モノは続く。1死1、2塁から井坪のプロ初打席はサードへの内野安打となり初安打を記録した。この当たりに相手の失策が重なり2者が生還、勝ち越しに成功した。
序盤で援護点をもらったビーズリーは粘りの投球でイニングを稼いだ。本来先発予定のデュプランティエが下肢の張りによる再調整となったことで巡ってきた先発機会、毎回走者を出しながらもなんとか5回途中までマウンドを守った。
2点リードの5回、1死1、3塁という一打同点のピンチではライト前へ落ちそうな打球にセカンドの中野が追いつきダイビングキャッチ。この後、2番手のハートウィグが適時打を浴び試合を振り出しに戻されるが中野の好守備は続く。6回に盗塁を試みた1塁走者は送球が逸れるのを確認すると3塁を狙う。だが素早くカバーした中野のランニングスローによりタッチアウト。重要な走者を刺した。
すると3-3のその裏に2死1、3塁のチャンスを作り代打の糸原がしぶとくライト前に落とす。
「追い込まれて、執念で、最後は落ちてくれと思って走ってました」
熊谷も2者連続となる適時打で続き2点の勝ち越しに成功した。
「糸原さんが先に打ってくれたんで楽に打てました。気持ちだけで打ちました」
7回に及川が被弾し1点差に迫られるが8回は石井が2塁を踏ませることなく3つのアウトを奪う。連続無失点記録を41試合まで伸ばした。9回は1死2塁から安打性のライナーをショートの熊谷がジャンピングキャッチ。好守備に助けられた岩崎はインコースへズバッと決めて見逃し三振を奪い、27個目のアウトを成立させた。
6回を無失点に抑えて勝ち投手となったドリスは「今日ももちろんなんですけど甲子園で6年ぶりに初登板した時に凄い声援をいただいて、その時に愛されてるんだなという風に思いましたし、それが自分の力になってます」とファンの声援に感謝した。
控え選手がレギュラークラスの働きを見せ、ペナントレース終盤に差しかかろうというタイミングでポジション争いが激化。チーム力はまだまだ上がるし、マジックはドンドン減る。明日も黒虎の強さを見せつけたい。