4割に迫る好相性ぶりは伊達ではなかった。森下は今季の神宮での打率が.382。打者有利の敵地を得意としている。この日も第1打席から結果を残した。
初回、安打で出塁した中野を1塁に置いて森下が捉えた打球はレフトスタンドに一直線。今季18号となる2点本塁打で先制に成功した。
「先攻でしたし、まずは初回に最高のかたちで先制することができてよかったです」
援護点をもらった伊藤将は要所を締める投球で試合を作った。2回に被弾して1点差に迫られ、なおも連打を浴びてピンチを招いたが後続を断つ。3回と4回は三者凡退。2人の走者を背負った5回もあと1本を許さない。きっちりコースを突く投球で6回を無四球1失点、先発の役割を果たした。
「初回から先制してくれて少し楽な気持ちでゲームに入ることができました。1本ホームランは打たれてしまいましたが、しっかり両サイドへ投げ切ることができたので粘って試合を作ることができました」
7回は及川が外野フライと三振で2死を奪う。さらにショートの熊谷が三遊間へのライナーをダイビングキャッチ。前夜のヒーローは第2打席で3塁打を放っており連日攻守でハツラツとした動きを見せている。
互いに次の1点が取れないまま2-1で迎えた8回、代打の高寺が四球をもぎ取り先頭打者が出塁。この後、中野と森下も四球を選んで1死満塁とした。打順もクリーンアップにまわる理想的な巡りだったが試合を決める一打が出ない。
決して好ましい流れではなかったがその裏は桐敷、ハートウィグの継投でピンチを凌ぎ同点を防いだ。1点リードの9回は岩崎がマウンドへ。逃げ切り目前だったが守護神は1死満塁から犠牲フライを許してしまう。それでも勝ち越し点は与えない。2試合連続延長戦に突入した。
10回はドリス、11回は岡留が無失点リレー。12回には熊谷と中野の安打で2死ながら1、2塁とした。しかしホームが遠い。その裏は岩貞が抑えて引き分けとなった。
リリーフ7枚を投入しただけに明日先発する才木には長いイニングを投げてもらいたい。