伝統の一戦らしい一進一退の攻防が序盤から終盤まで続いた。
初回、近本の四球と中野の送りバントで1死2塁とすると森下が先制の適時2塁打を放つ。これで昨季の73打点に並んだ。
「チャンスだったので全力を尽くしただけです。甲子園に戻ってきたのでホームで暴れたいなと思って調整してるところです」
2回に同点とされたが3回に1死1塁から森下へのレフト前への安打で1走の中野は判断良く3塁へ。好走塁でチャンスを広げると佐藤輝が追い込まれてからしぶとく1、2塁間を破る。4番のバットが勝ち越し点を叩き出した。
先発の高橋は調子が上がりそうで上がりきらない中でも粘り強く試合を作った。やや手探り気味に見えた立ち上がりから中盤にかけて本来の投球を取り戻しかけたが毎回のようにピンチを招いた。それでも8安打を浴びながらも5回を2失点にまとめた。
打線は2-2の5回、1死満塁から熊谷が押し出しの四球を選んで勝ち越しに成功。1点リードして試合を折り返した。
「次につなごうと思っていたのでそれがフォアボールにつながりました。1日を必死にやってるだけなので一戦必勝という常にそういう気持ちを持ってやってます」
後半は両チームのリリーフ陣が踏ん張った。6回と7回はドリスと及川が走者を出しながらも無失点。しかし打線も6回と7回に満塁のチャンスを作ったが追加点は入らない。1点が重い展開で8回に登板した石井が格の違いを見せつけた。2つの三振を奪って3人でピシャリ。
3-2で迎えた9回は岩崎がマウンドへ。先頭打者を三振でまず1死。2人目の打球をサードの佐藤輝がトンネルしてしまうがレフトの熊谷が素早くバックアップ。2塁ベースへのストライク送球で打者走者を指した。ビッグプレーが決め手となり岩崎が締めくくる。2位の巨人との直接対決を制しマジックは9。いよいよ1桁となった。明日は才木がカウントダウンを加速させる。