今季の中日戦の成績は11勝11敗で全くの五分。この3連戦で勝ち越すことができれば全球団からの勝ち越しを達成する。チームとしての偉業を目指すと同時に個人タイトルやキャリアハイに近づいている選手たちが高いパフォーマンスを発揮した。
先発した村上は奪三振132個と勝率.750がどちらもリーグトップ。序盤はタイミングを外す落ちる球を決め球に3回までに4つの三振を奪った。5回を投げて1失点、先発の役割を果たしマウンドをリリーフ陣に託した。
「5点ぐらい入らんかなと試合前に思っていたんで、まさか初回から4点入ってたんでめっちゃ嬉しかったです。(打球が)当たってから気合いが入ったので吹っ切れて投げられました」
打線も初回に佐藤輝の適時打で先制。打点トップでタイトルへまっしぐらの4番は5回にも適時打を放ち追加点を叩き出す。これで打点は99。本塁打数39本と合わせ節目の数字に王手をかけた。
「どっちもあと1、達成できるように。でもいつも通り自分のバッティングを心掛けていきたいと思います」
好リードで投手陣を支えた陰のMVP、坂本はバットでも大活躍だ。初回2死満塁からは3点適時2塁打。「打った瞬間に抜けるのはわかったので(1走の)前川、頼む走ってくれと願ってました」。3回にも適時打を放ち、6回には先頭打者として安打を放ち出塁した。出場試合数、安打、打点、出塁率などキャリアハイは確実だ。
佐藤輝と坂本の活躍もあり6得点。リードした後半は岩貞、ドリス、岩崎とつないで中日打線の反撃を1点に抑えると9回は1軍合流した石井がマウンドへ。点を取られない男は力でねじ伏せ連続三振を奪う。最後の打者はライトフライに打ち取りこれで48イニング連続無失点。藤川監督の現役時代を超える球団記録を打ち立てた。
投打に圧倒してカード初戦をものにし明日の先発は大竹。CSへ弾みのつく投球をしたい。中日の先発は奪三振数リーグ2位の高橋宏。村上のタイトルのためにも打者陣がコンパクトなスイングで攻略したい。