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4月17日(th0000004) 執念及ばず 初の3連敗

戦評

苦しい展開に耐えて9回に追いついた阪神だが、延長で力尽き敵地で今季初の同一カード3連敗を喫した。

阪神は、右肘不安で土曜日の試合を欠場した高山がスタメン1番に復帰。西岡2番、鳥谷6番の打順で中日先発・ネイラーに臨む。

先制は中日。13日DeNA戦(甲子園)が雨天中止となり中10日でこの日の先発に回った阪神・岩田は初回 一死後  堂上・高橋にレフトへの連続二塁打を浴びて、いきなり失点する。真っ直ぐを叩かれた高橋の打球(左越え)は、レフト高山がやや目測を誤ったようにも見えた。

カットボールを巧みに使う丁寧な投球で立ち上がったネイラーだが、阪神は4回表 ヒットで出塁した江越が一死2塁から打者ヘイグの時  三盗を試みる。捕手・杉山の送球はベースの前で弾み三塁手のグラブに当たってスタンド側に飛び込みテーク・ワンベース(記録は杉山の悪送球)で江越は生還。中日のミスを誘って阪神が追いついた。

阪神・岩田は2回以降 低めを突く本来の投球で立ち直る。3回裏一死2塁では初回打たれた堂上・高橋を、福田への死球から二死2・3塁まで行った5回裏も堂上を打ち取り踏ん張った。

6回表 阪神はゴメスのヒットと鳥谷・四球で二死1・2塁と勝ち越し機を作るが、前打席で二塁打を放っていた7番 横田は遊飛に倒れた。その裏 中日は高橋・ビシエドの連打で無死1・2塁とチャンスを迎え、5番ナニータの右前適時安打で2対1とする。岩田は追い込みながら、甘いカーブを打たれ勝ち越し点を与えたところで安藤と交代している。

「相手に勝ち越し点を取られないように何とか最少失点のまま凌いでいきたかったけど、粘れなかった」。5回0/3(85球)7安打4三振1四死球2失点の岩田 稔投手が、悔しそうに声を絞り出す。実は熊本地震で被災した益城町には親戚が住んでいる。家屋は損壊したものの、皆さん無事との事。「(おばあちゃんに)元気で頑張ってる姿を見せたかった」岩田だが、先発としての役割を十分に果たせず悔しい登板となった。

このピンチで安藤は、谷を送りバント失敗の捕邪飛。福田を二ゴロ併殺に打ち取って追加点を防ぐ。7回裏に登板した3人目・榎田は大島に死球を与えるなど二死満塁で4番ビシエドと言う絶体絶命の場面を迎えたが、逃げずに攻めて三邪飛に抑えた。8回にも高橋が一死3塁と攻められるが、藤井・杉山を変化球で連続三振に斬って徳俵で踏みとどまる。

中日は、7回(105球)5安打5三振 四死球 自責点0のネイラーから田島~福谷と逃げ切りを図る。後半は防戦一方だった阪神は9回表 鳥谷にヒットは出たものの二死を取られて敗色濃厚。しかし、代打・今成が粘って粘って右前安打で繋ぎ1・3塁とすると、阪神ベンチは途中出場・岡崎に切り札・福留を代打で起用した。福留は期待に応えて右前へ適時安打を放ち、土壇場で2対2と追いつく。

同点に持ち込んだ阪神だが、梅野・岡崎の二人が底をついた捕手には2013年7月13日DeNA戦(甲子園)以来という今成を起用。9回裏は高宮とのコンビで乗り切った。

しかし、10回裏  高宮が先頭3番 高橋を歩かせると阪神は福原にスイッチ。福原は4番ビシエドにカウント3-1からの直球を痛打され、右翼ポール直撃弾となる来日初のサヨナラ2点本塁打で試合が終わった。4対2で中日は2試合連続のサヨナラ勝ち。金本阪神にとっては、屈辱の同一カード3連敗である。 

「何とかカタチになったけど、勝たないとね」。意地の同点打を放った福留孝介外野手が顔を歪ませる。 3年ぶりにマスクを被った今成亮太選手は、「サインは全部自分で出した。捕る分にはすんなり行けた。ただチームがサヨナラ負けで、凄く責任を感じている」と話した。

最後には失点したが、再三のピンチを踏ん張った投手陣を責める事は出来ないだろう。むしろ、中日投手陣に対して9安打とはいえ適時打は代打・福留だけに終わった打線の低調さが気になる。その福留を欠いて得点力が著しく低下する中、勝てる試合を落とした土曜日からの流れを変えるだけの材料がなかった阪神には必然の結果だったと言わざるを得ない。

「コウスケ(福留)一人いないだけでも大きいし、若い人も多い。横田とかは(打席で待つ)ボールの絞り方、高山の守備・・・まだ若いんだから。ミスしてハイそうですか!じゃなく、反省して準備して次に起こさないようにしないと成長はない。(高山は右肘が万全じゃなくて)思うように動けなかったのかな?それを承知で出してるけど、本人も(出てる以上は)工夫する事を学んで欲しい」。金本知憲監督の苦言が今後に生きて来る筈だ。

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