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6月1日(JST12000000) 痛恨の外野守備

戦評

初回の記録に表れない守備のミスが祟って、阪神が3連勝を逃した。

千葉ロッテ先発・唐川に対する阪神は、鳥谷・糸原をスタメンに戻して下位打線を形成する。1回表  高山が空振り後の2球目を叩き、バックスクリーンへの5号初回先頭打者アーチで鮮やかに先制した。「打ったのはストレート。先制するためにも何とか出塁することを考えて打席に入った。勢いをつけられるような結果になってくれて良かった」と、高山 俊外野手は振り返る。

阪神先発・メッセンジャーは、初回 先頭・大嶺翔のヒットと角中・四球で二死1・2塁とされ5番 鈴木に左2点適時二塁打を浴びて、あっさり逆転を許す。続く根本にも右中間へ適時二塁打を打たれ、いきなり3失点のスタートとなった。鈴木の打球は、レフト高山が強風に目測を誤り、慌てて前に出て、結果として後逸しただけに非常に残念なプレーとなった。

一転ビハインドの展開となった阪神だが、2回以降は立ち直った唐川の緩急自在な投球に手を焼いた。5回表は先頭7番 糸原の左越え二塁打でチャンスを作るが、後続が凡退した。7回には一死1・2塁と一発で同点のチャンスもあったが、代打・伊藤隼と高山が抑えられてブラストレーションが溜まる一方だ。唐川は7回(112球)7安打7三振 無四球 1失点と役割を果たして大谷〜内へと繋いだ。

逆にメッセンジャーは、5回裏二死3塁から4番角中の適時遊撃内野安打で追加点を奪われ、7回(135球)6安打 6三振 4四死球 4失点で降板した。

「(初回 不運な失点もあったけど)言い訳には出来ないよ。(4年振り千葉での登板だったが)初回だけで、それ以外は良い投球が出来たと思う」と、ランディ・メッセンジャー投手は悪びれずに語る。梅野隆太郎捕手は、「(ボールが)高くて・・・今までと違った感じだった」と証言している。

8回にはリリーフ伊藤和が三木・田村・サントスに適時長短打を浴びて、ダメ押しの4失点。結局、クリーンアップが完全に沈黙した阪神が、8対1と大敗を喫した。その中でプロ初の一試合3安打を放ったルーキー糸原は、明るい材料を残したと言えるだろう。

「(初回メッセンジャーが逆転されたけど)それよりも(高山が)すぐに目測を誤ったからね。期待して使ってるんだから、練習・集中力しかないよ。(打撃に関しても有利なカウントから凡打が目立つが)もうちょっと良い内容を・・。丁寧にというか?経験生かして成長しないと」。金本知憲監督は、昨季の新人王に敢えて苦言を呈する。それでも、無安打に終わった糸井・福留・中谷の主軸に関しては、「それは結果であって・・・いつも打ってくれたら打率6割位になる(笑)」と庇っていた。

中村 豊外野守備走塁コーチは、厳しかった。「結果的にそう(一歩目の遅れという事に)なってしまう。落ち着いている・いないは別にして、そう見える。(元々)守備に興味なかった人間だし。(これからも)同じ事を言っていかないとね!」。  先頭打者本塁打の喜びも自らの守備で消してしまった高山 俊外野手は、一歩目が遅れたのか?の問いに「まあ、そうですね」と答えて、肩を落とした。

苦い経験も成長には必要な事。指揮官も、あまり責めてくれるな!と報道陣に異例のお願いをしていた。この夜の悔しさは、高山が今後大きく飛躍する為のバネになってくれる筈である。

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