終盤までギリギリの攻防が続いた試合を、執念でつなぎモノにした。
初回に先制は許したが、3回、2つの四球で走者をためると西岡の進塁打で1死2、3塁。北條がセンター前に運んで試合を振り出しに戻し、福留の適時打で勝ち越しに成功した。
5回にも四球でもらったチャンスを逃さない。福留が2打席連続となる適時打、さらにロジャースの犠牲フライで加点しリードを広げる。
先発・岩田は5回まで3安打1失点。6回途中につかまりマウンドを降りたが、広島の強力打線を相手に試合を作り、香田投手コーチも「よく粘ってくれました」と及第点の評価。ベンチに戻る際にはスタンドから拍手が送られた。
1死1、2塁のピンチでマウンドに向かったのは桑原。新井を打席に迎え、前日と同じような場面となったが、結果は空振り三振。適時打を打たれた前夜のリベンジを果たした。
その後、同点は許したが直後の攻撃で先頭の鳥谷が安打を放ち、大山が送って1死2塁。一打勝ち越しのチャンスで、金本監督が動く。右脇腹の筋挫傷で戦列を離れ、この日1軍登録となった糸井を代打に送る。快音は聞かれなかったが、復帰1打席目の初球から鋭いスイングを見せており、完全復活は間近だ。2死2塁からは代打・伊藤隼。6回にしてリリーフエースの桑原に続いて攻撃でも惜しみなくカードを切った。
7回は高橋が、8回はマテオが2つの三振を奪って無失点。9回もドリスがピシャリ。リリーフ陣が広島打線を牛耳ると、その裏に打線も応える。
今日、30歳になった俊介がレフト前に安打を放ちサヨナラの走者を出塁させると、梅野が1球で送りバントを成功させる。西岡の四球後、北條が6球ファールを打つ粘りを見せ、レフト前に弾き返す。昨日の2塁打と今日2安打を放った打撃内容に片岡打撃コーチは「粘ってヒットが出たように兆しが出てきたように思う」と復調を予感していた。
同点の最終回で1死満塁。絶好のチャンスを作ると千両役者・福留が登場。金本監督が「ほぼ決めてくれると思ってました」と厚い信頼を寄せるスラッガーは、センターに飛距離十分なフライを打ち上げる。
「北條があれだけ執念見せてつないでくれたんでね。それと俊介にいい誕生日をと思ってね。打てて良かったです」
タッチアップで3塁から俊介が生還し、サヨナラ勝ち。チーム一丸となり、広島に一矢報いた。