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9月27日(39Asia/Tokyo27) 執念の総力戦!価値あるドロー

戦評

序盤からビハインドの苦しい展開を必死の継投で凌いだ阪神が、最終盤に追いつき辛うじて引き分けに持ち込んだ。
            
必勝を期す阪神は現状エース的な存在の秋山を先発に立てるが、初回 出鼻を挫かれる。二死2塁から4番ロペスに左越え29号2ランを浴びて横浜DeNAに先取点を奪われると、続く2回裏にも下位打線  梶谷・高城の連打や犠打で二死2・3塁となって 1番 桑原に中前に痛い2点適時安打を打たれ、4対0と序盤で大きなハンディを背負った。

横浜DeNA先発左腕・ルーキー濱口に序盤は抑えられた阪神打線は、5回表に一死1・2塁のチャンスで秋山に回ると金本監督は代打・大山で勝負に出たが、遊ゴロ併殺打と結果は裏目に終わる。

秋山拓巳投手は、4回(60球)を7安打2三振 無四球 4失点。「立ち上がりから高くなってしまった球を打たれてしまい、修正することが出来ず、ピンチで粘り切る事が出来なかった。先発投手としての責任を果たすことができずに申し訳ない」とアタマを下げる。香田勲男投手コーチも、「球が高いし、一球で仕留められている」内容に苦言を呈していた。

6回表  阪神が反撃。一死1塁にヒットの上本を置いて 3番 糸井はバックスクリーンへ 15号2点本塁打を放り込んで狼煙を上げる。福留・四球後、5番 中谷もセンターへ適時二塁打で続いて1点差に迫る。この後 2四球などで二死満塁となって代打・新井良が告げられる。DeNAは濱口にリリーフ三上を送るが、代打の代打・伊藤隼はスライダーで二飛に倒れて追いつけなかった。

阪神は5回から岩崎〜桑原〜高橋〜マテオと必死の継投で相手の追加点を許さないまま、最終回へ。横浜DeNA守護神 山崎康が登場した9回表  阪神は代打・高山の三塁内野安打から一死1・2塁として3番 糸井が右前適時安打を放ち、遂に4対4とする。更に福留が四球を選んで一死満塁と絶好の勝ち越し機を作ったが、5番 中谷は3球連続の直球に空振り三振。続く鳥谷も中飛に打ち取られてしまった。

土壇場で追いついた阪神は、9回裏から藤川が2イニング。11回裏を抑えたマテオも回を跨いで投げて延長12回を凌ぎ切って、結局4対4の両者痛み分けに終わる。11回表の二死満塁も逸するなどチャンスがありながら勝ち越せなかった阪神は悔しいが、主導権を握った展開をモノに出来なかった横浜DeNAにより大きなダメージが残る引き分けだったと言えそうだ。

アーチで反撃の口火を切り貴重な同点打も放った糸井嘉男外野手は、「勝ちたかったけど、まぁ〜どうなんですかね?」と満更でもない表情で答えてみせる。

また、フル回転のリリーフ陣だが、この日で藤川は50試合目。ドリスも60試合に到達した。50試合以上登板の投手も6人目だが、60試合以上5人は日本プロ野球史上初めての快挙である。ラファエル・ドリス投手は、「精神的には問題ない。疲労はあるけど、プルペンに貢献出来ている」事に胸を張った。

「(9回の勝ち越し機で中谷は)あそこは大チャンスだからなぁ! 決して苦言ではないけど、あんな美味しいところでストレート3つ 仕留められないのは・・そこでカーン!と行かないと。折角成長を見せてくれてるのに勿体無い。絶対次に生かすようにしてもらいたい」。金本知憲監督は、嘆き節だった。それでも、「勝てなかったけど、0-4から追いついた事がね。今の状態で欲を言えばキリがないけど(打線は)一時の悪い状態は抜けたんじゃないかな?今日は選手を褒めたい。中継ぎもよく投げてくれたし、守りも粘り強くピンチをよく凌いでくれた」と話して、勝ちに等しい引き分けと評価。勿論、機嫌は悪くなかった。

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