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4月1日(st0000004) 投手が可哀想だ!

戦評

ロサリオの来日初本塁打などで優位に立った阪神だが、1つの拙守が致命傷を誘発して連日の逆転負けに繋がった。

巨人移籍後初先発となる野上に対する阪神は、開幕戦のオーダーに戻して臨む。初回先頭・高山の左中間二塁打と糸井・四球で一死1・2塁の好機は逃すも、2回表二死から8番 梅野が右中間へ1号ソロ本塁打を放ち、3試合連続の本塁打による先制パンチとなった。

梅野隆太郎捕手が振り返る。「打ったのはストレート。今日勝つために1打席1打席が大事だし、その中で積極的に打ちに行った事が、良い結果に繋がってくれたと思う」。

4回表には先頭4番ロサリオが真ん中付近のスライダーを捉えてレフトスタンドへ待望の来日1号を放り込んだ。「甘い球をミスせずに捉えることが出来た。(来日初本塁打は?)素直に嬉しいね。これからもチームに貢献できるように頑張るよ」と3試合連続打点のウィリン・ロサリオ内野手が声を弾ませる。

阪神先発・秋山はよく計算された配球で序盤を上手く乗り切ったが、4回裏 坂本・ゲレーロの長短打で背負った一死2・3塁のピンチを招き、前日のヒーロー6番 岡本に初球・高め直球をレフトスタンドへと運ばれて2戦連続アーチとなる2号逆転3ラン。一瞬で劣勢に立たされる。この過程で守備範囲だったゲレーロの打球をグラブで弾き二塁打としたセンター高山の拙守は非常に痛かった。

6回(109球)5安打8三振3四球3失点で降板の秋山拓巳投手は、「自分自身の開幕戦だったが、緊張することもなく初回から飛ばして行くことが出来た。失点してしまった場面は勝負に行った結果だと思っているが、岡本選手の前の坂本選手やゲレーロ選手への投球を反省しなければいけない。次回の登板ではもっと上手く打者を抑えられるような、投球を心がけていきたい」と反省のコメントを残している。

「(秋山は)カウント的に有利なところで、ボール球で誘う事が出来たら良いね」。香田勲男投手コーチは今後への課題を口にして、巨人・岡本に関しては、「一球で仕留める」力があるから対策を考えないといけないことを示唆した。

新人捕手・大城とバッテリーを組んだ巨人・野上だが、ソロ2発は浴びたものの豊富な球種を駆使して大怪我をしなかった。6回表二死からロサリオの中越え二塁打と福留・四球で1・2塁とされたところで巨人ベンチが動き、澤村へスイッチ。6番 大山を遊飛に打ち取り、巨人がリードを守る。

緊迫の展開となった終盤戦。阪神は2番手・石崎が踏ん張り追加点を許さなかったが、巨人は7回まで澤村。8回表は上原がピシャリと抑える。9回表には守護神カミネロから福留がライトへ二塁打を放ち、阪神が一死2塁と同点機を作る。代走にはルーキー島田がプロ初出場。しかし、大山・糸原が必死の粘りも虚しく退けられ、3対2で巨人の軍門に下った。

最高の勝利でスタートしながらもその後連敗して開幕シリーズを負け越しで終えた阪神・金本知憲監督は、冷静を装いつつも苛立ちを隠せない様子で言葉を搾り出す。「(秋山は岡本への)まぁ、あの一球か?あの回だね。(高山の守備について)範囲ですからね。去年も一昨年も、ノーバウンドで何回落としたか!って言う…。自分の範囲、ノーバウンド、捕らなイカン!ピッチャーが可哀想だ。(あのイニングだけだっただけに)どうしても其処になってしまうわな、話は」。連日の被弾となった巨人・岡本に関してもバッテリーに「もう対策練らないと!」と今後の戦いに警鐘を鳴らし、報道陣との会話もそこそこにベンチを引き上げた指揮官の背中からは怒りが漂っていた。

高山 俊外野手は、「秋山さんにすみませんとしか言えない」と話すのが精一杯。初アーチのウィリン・ロサリオ内野手も、「打てたのは嬉しいけど、勝てなかったのが悔しいネ」と吐き捨てた。

とはいえ、打線には十分すぎるほどの手応えを感じた最初の東京ドーム3連戦。今季を戦う上では収獲も多かった。長いペナントレースは、まだまだ始まったばかりである。

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