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6月30日(tham30) 窮地救った!才木

戦評

先発左腕が危険球退場のアクシデントに見舞われながらも打線が機能して大量点を奪った阪神が、終始主導権を握り続けた。

夕刻17時開始の神宮。東京ヤクルト先発・ハフに阪神打線が、まだ空が明るい初回から猛攻を仕掛ける。糸原・安打のあと熊谷の犠打がセカンド山田哲の捕球ミスで1・3塁オールセーフとなり、3番 福留の中前適時安打で先制。続く糸井も右適時二塁打を放って2点目が入る。更に一死満塁からの7番 北條・左越え走者一掃適時三塁打と梅野の右犠飛で一挙6点とビッグイニングを作った。

「相手投手の立ち上がりを良い流れで攻撃することが出来た。守りに入るのではなく、攻める気持ちを持っていきたい!」。先制打の福留孝介外野手が気合いを入れると、糸井嘉男外野手も「イイところに落ちてくれた。ラッキーだった」と茶目っ気たっぷり。満塁一掃打の北條史也内野手は、「打ったのはストレート。満塁のチャンスで慎重になり過ぎずに、初球から積極的に振っていこうと心掛けて打席に入ったことが、良い結果に繋がったと思う」と話している。

いきなり大量リードをもらって登板した阪神先発・岩貞だが、先頭・西浦にセンターへの二塁打を浴びた直後 2番 青木の後頭部付近に死球をぶつけて、危険球退場となる。このアクシデントでスクランブル登板となった2人目・才木は、山田哲に四球を与えて無死満塁の大ピンチを招く。大乱戦となった前夜の悪夢がよぎる中、才木は4番バレンティン・三ゴロの間に1点を失っただけで、この回を最少失点で乗り切った。

2回表 阪神は先頭・二塁打で出た糸原を2番 熊谷が右前適時安打で返してプロ初打点をマーク。すかさず盗塁で2塁へ進むと福留の2打席連続となる中前適時安打が飛び出して、この回2点目。この後 更に二死1・2塁から7番 北條が右前適時安打を放って9対1と突き放す。ヤクルト・ハフは4回(91球)まで投げて9安打5三振3四死球 9失点(自責7)と乱れに乱れた。

熊谷敬宥内野手は、「打ったのはチェンジアップ。逆方向に意識を置いて開かずに打つ事が出来た。(プロ初打点について)打点をあげる事でチームの勝利に繋がると思うので、これからも良いところで打てるように頑張る」気概を示した。

阪神・才木は、2回以降も投げっぷりの良さが光った。4回裏には2四球が絡んで二死満塁となるも、1番 西浦をフォークの連投で空振り三振に仕留める。結局6回裏完了までロングリリーフの仕事を見事に全うしてみせた。才木浩人投手は、6回(98球)を投げて 3安打 7三振 4四球 無失点。
リードがあったとは言え、才木がゲームを作る事が出来なければ、前夜の二の舞になりかねない展開だっただけに、守備面においては才木が最大の働きでチームに貢献した事は間違いないところだろう。

ヤクルトの投手が山中に代わった5回表にも、阪神は集中打を浴びせる。一死満塁から3番 福留が左越え2点適時二塁打や先発野手全員安打となる陽川の中前適時安打などで4点を追加して、ほぼ決着はついた。

阪神は終盤、久しぶりに一軍再登録となった中継ぎ陣を試運転。7回裏に登板したマテオは、いきなり雄平に死球を与え、3番 山田哲にはセンターへ通算150本塁打となる17号2ランを浴びた。8回裏には、やはり肩のコンディション不良から復帰した高橋聡が1イニングを無失点で終えている。

9回表にも、ヤクルト4人目・風張から途中出場・ナバーロの左飛を取り損ねたヤクルト 荒木の失策などで2点を加えた阪神。最後は前夜 敗戦投手となった伊藤和が、畠山に4号満塁本塁打を浴びるも大量リードがモノを言って15対7で前夜の雪辱を遂げ、6月を白星で締め括った。(ヤクルトの連勝は5でストップ)

勝ち投手は、緊急登板からロングリリーフを任されてゲームを作った2年目・才木浩人投手が、5月27日巨人戦(甲子園)先発で上げたプロ初勝利以来の2勝目。ビジターでのヒーローインタビューは初めてだったが、その雰囲気に「最高でーす!」と声を張り上げて猛虎ファンを喜ばせた。「(突然の登板だったが)とりあえず一つずつ抑えていけるように、しっかり投げれば良いかなぁ?と思っていた。(ブルペンでは)10球ちょっとですけど、こっち(マウンド)でも しっかり投げる事が出来たので。(無死満塁でバレンティンを迎えたが)やっぱり攻めの姿勢で。どんどん攻めて行けば良いかな!と思っていた。(6回を3安打無失点で乗り切ったけど)ヒットと要らない四球でピンチを作ってしまった場面があるので、そういうところはしっかり反省して、次に生かしていきたい」。

「よう踏ん張った。スクランブルで投げて行った訳だし…(その後の内容としては)5回あたりで球が抜け出して来たけど、最後の最後に踏ん張って、もう一つ見せてくれた。・・良かった!成長したな!」。金本知憲監督は15安打15得点と打ちまくった打線の事よりも、緊急リリーフの才木を何度も褒めちぎっていた。

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