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7月21日(stam31) 打棒復活の日

戦評

前半戦 不振の極みに苦しんだ大砲が目覚め、故障から帰還した4番も効果的な一発で打線が甦った阪神が、終盤の猛追を何とか凌ぎDeNAを振り切った。

糸井が右足腓骨骨折の離脱から復帰した阪神は、DeNA 先発左腕・石田に対して福留・糸井・ロサリオでクリーンアップを組む。2回表 先頭ロサリオが甘く入った変化球をレフトスタンドへ放り込む 5号ソロ本塁打を放ち、鮮やかに阪神が先制する。「打ったのはフォーク。抜けてきたボールをミスショットせずに自分のスイングで捉えることが出来たね。まずは先制することができたのでここからもチームの勝利に貢献できるように頑張るよ!」。ウィリン・ロサリオ内野手が、一軍では5月22日以来となる久しぶりの感触に声を弾ませた。

序盤に先取点をもらった阪神先発・岩貞だが、その裏 筒香に中二塁打を打たれた後、5番ロペスにレフトへ 17号2ランを浴びて、あっさり逆転を許してしまう。

3回表 阪神は一死後、糸原・北條の連打で1・3塁として3番 福留が右前適時安打を放ち同点。続く糸井は、右中間スタンドへ勝ち越しの 11号3ランを打ち込む。更にロサリオも2打席連続の6号ソロ本塁打を豪快に放り込んで、阪神が一挙5得点で6対2と再びリードを奪った。同点打の福留孝介外野手は、「打ったのはスライダー。次に繋ぐことを考えて外角のボールを何とか打ち返すことが出来た」と淡々。真打ち登場!の一発回答を示した糸井嘉男外野手も、次のように心境を吐露している。「打ったのはストレート。チームに迷惑をかけてしまっていたので貢献したい気持ちでいっぱいだった」。

阪神は、更に5回表にもDeNA2人目・武藤を攻め、二死1塁から5番ロサリオがライトへ適時二塁打を放って7対2とリードを広げる。

味方の強力援護をもらった岩貞は、その後大崩れせず、6回裏には2番ソトに11号ソロ本塁打を浴びたものの、何とかクオリティ・スタートの内容で役目を終えた。6回(100球)8安打 2三振 無四球 3失点の岩貞祐太投手は、「初回から思い切って腕を振っていく事で粘りの投球をすることが出来たけど、野手の方がたくさん点を取ってくれただけに、自分がもっと長いイニングを投げなければいけない試合だった」と振り返っている。

4点差で盤石の継投に入った筈の阪神だが、好調DeNA打線は侮れない。7回裏2人目・藤川は、前日サイクル安打を記録した1番 桑原の適時二塁打と4番筒香の適時安打を許して2点を失う。8回にも3人目・桑原が一死2・3塁と一打同点のピンチを背負って、堪らず能見にスイッチ。ここで能見が代打・梶谷を空振り三振、桑原も凡飛に打ち取る気合いの投球を見せて、反撃の火を消した。最後は守護神ドリスで締めて、阪神が漸く連敗を5で脱出! 難産の末に7月4日以来、球宴後初の白星を飾っている。勝ち投手は、岩貞で4勝目。ドリスは20セーブに到達した。

「(先制本塁打について)失投をしっかり狙う事を心がけていた。実際どこまで飛んだか分からなかったけど、良い感じで打てたから良かった。(3回表 糸井との2者連発は)以前もあったと思うけど、こうやって2人で打てば勝てると思うので、これを続けて行きたい」。ヒーローインタビューは、来日初の2打席連続アーチを描いたウィリン・ロサリオ内野手だ。「今日ミーティングで何とか連敗を止めようという話がコーチからあって、そう言う思いでグラウンドへ来た。まだまだ試合が(多く)残っている。何が起こるか分からないので…」。

「(糸井は)良いところで本当にワンパンチ打ってくれた。もちろん(ひと)安心ですよね!ロサリオも含めて。でも(ロサリオに関しては)まだまだ右投手のスライダー系どこまで?って言う…」。不安も残るとは言え、金本知憲監督は久しぶりの勝利に安堵の表情を浮かべる。「やっぱりネ。勝てない時は選手も辛いし、俺も辛いしね。(チーム浮上の)良い機会と言うのは。何かのキッカケで乗っていけると思うけど。(それが)今日であればイイですネ!」。指揮官は、ぽつりと本音を漏らして、横浜スタジアムを後にした。

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