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7月22日(nd0000007) メッセ!史上初の快挙

戦評

阪神が4本塁打を含む先発野手全員安打と連夜に及ぶ打線の活躍で、来日9年目エースの偉業に花を添えた。

DeNA先発左腕・今永に対する阪神は、不振の陽川を7番に下げてナバーロと入れ替える。初回は一死後の連続四球から迎えた先制機に4番 糸井の当たりが外野手の前にポトリと落ちるラッキーな適時打となって、幸先よく1点を取った。

阪神先発は、中5日のメッセンジャー。立ち上がり、2番ソトに粘られた挙句 カウント2-2からの7球目・カーブを仕留められて左越えソロ本塁打を浴びて、忽ち同点とされる。

2回表 阪神は先頭6番ナバーロがライトへ来日1号ソロを放って再び突き放す。この後 二死2塁から1番 糸原の左中間適時二塁打が飛び出して3対1とする。「打ったのはカットボール。強くボールを捉えることを心がけてスイングした。本塁打を狙っていた訳ではないが、ライナー性の強い打球を打つ事を意識していた。来日初本塁打になってくれて素直に嬉しいよ!」。エフレン・ナバーロ内野手が笑顔で語れば、やはりカットボールを仕留めた糸原健斗内野手も、「二死だったけど追加点の欲しい場面だったので、次に繋ぐ意識で打ちに行った。いい所に抜けてくれて良かった」と振り返っている。

この日の今永は制球が安定せず、球数が多かった。阪神は3回表にも走者を置いた場面で5番ロサリオが外寄り直球を捉えセンターから右方向へ打ち込む2試合連続の7号2点本塁打を放って完全に主導権を握った。「ベンチの雰囲気も良くて自分もチームに貢献したい気持ちだった。いい方向に強い打球を打つ事が出来たね」。ウィリン・ロサリオ内野手もご機嫌に話す。

DeNAは2戦続けて先発が3回で降板となり小刻みな継投に入るが、酷暑の中でこの展開はブルペンにとって余りにも苦しい。阪神は、5回表 4番 糸井が2人目・須田からライトへ弾丸ライナーの2試合連続12号ソロ本塁打。6回表にはDeNA3人目・武藤から3番 福留が左中間2点適時二塁打。7回表には4人目・三嶋から前々打席で5試合ぶりにヒットが出た7番 陽川のバックスクリーン直撃4号2ラン。8回にも5人目・砂田から中谷の中犠飛と攻撃の手を緩めず、着々と加点して行った。先発野手全員安打で14安打11得点と打線は完全に息を吹き返したと言えるだろう。

この強力援護に気を良くしたメッセンジャーは2回以降しっかり立て直して、その後の失点を6回裏 ソトの犠飛による1点に抑えて、7回(89球)を3安打 5三振 1四球 2失点。エースらしく試合を作ってその後はリリーフ陣に託した。8回裏2人目・高橋が9番 梶谷に右越え7号ソロ本塁打を浴びたが、まだ8点差。しかし、9回裏ルーキー谷川は佐野・中川大・楠本の適時打を浴びて4点を失い交代完了ならず、最後は岩崎が急遽登板。梶谷を遊ゴロに抑えて11対7で漸く試合が終わった。

ヒーローは、外国人投手史上初となる7度目の二桁勝利を達成したランディ・メッセンジャー投手。「ホントに良かった。これだけ点を取ってくれて、しっかり守ってくれたチームメイトに感謝したい。(DeNA戦は今季5勝目だが)こんなピッチングをどのチームにもしたいんだけど、たまたまDeNA相手に良い投球が出来ていると言うだけだよ。(来日7度目の二桁勝利について)今年達成したい記録の一つだったから非常に嬉しい!」と話して、とても満足そうだった。

金本知憲監督もエースへ全幅の信頼を口にする。「本人の希望ですからね、中5日って言うのは。その方がリズムが良いらしいな。安定感もあるし、やっぱり考える投球が出来てるよね。パワーピッチだけでなく、時にパワー、時にアタマ、駆け引きとか。打者も一緒で、そういう考える力が無いとなかなかこの世界難しいと思うし、それがメッセにはあるからね!」。

連日の猛打に指揮官の表情も自然に緩む。「(本塁打は4本出たけど)どれも大きかったよね。陽川も今日(スタメン起用を)迷ったけど、行かせてよかったなとと思うし。(ロサリオは)本塁打も打ったけど、右投手のスライダーを、甘いとこだけど、それをアジャスト出来始めてるから。良い当たりの遊ゴロが2回あったかな?あれがヒットゾーンへ飛び出して来ればね、期待通りの活躍が出来るようになるのかな!と思う。(ナバーロも)ツボに来れば飛ぶというのも見せてくれたし…。(だけど)甲子園で打ってないから。甲子園でこれくらい気持ち良く打ってほしいよね!」。最後は、本拠地での打線全開という切実な願いでコメントを締めていた。

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