5回重ねた我慢が身を結び、逆転につながった。
初回、先発・小野は先頭打者の内野安打からピンチを招くと先制点を献上。それでも後続を抑え、最少失点で切り抜けた。立ち上がりに2四球を与え、2回以降も制球が定まらず毎回得点圏に走者を背負ったが追加点は防ぐ。ヤクルト打線は5回までに12残塁、粘りのピッチングであと1本は許さず先発として試合を作った。
序盤は静かだった打線も中盤にかけてエンジンがかかる。5回、先頭のロサリオがセンターオーバーの2塁打を放ち出塁すると、続く中谷が右中間を真っ二つ。ロサリオが生還し試合を振り出しに戻した。なおも続く無死3塁で打席にはヤクルト先発・石川と好相性の梅野。「球種を絞るのではなくゾーンで待つようにしています」というのが石川の攻略法で、第1打席では2塁打を放っていた。警戒したヤクルトバッテリーから梅野は四球をもぎ取り1、3塁とすると代打・鳥谷が追い込まれながらもきっちり内野ゴロを転がし、中谷を勝ち越しのホームへ招き入れた。これが金本監督が言い続けてきたチームバッティング。3塁走者を還し、1塁走者を得点圏に進める打撃に「ヒット以外では最高の形」と評した。
リードして後半に突入すると6回は岩崎が先頭打者に四球を与えてしまうが、次打者の山田哲は空振り三振、スタートを切っていた1走・青木は梅野が強肩で刺し三振ゲッツーで2死を奪う。一発のあるバレンティンも空振り三振に仕留め、2番から始まる怖い攻撃を結果的には3人で片付けた。
7回は能見が糸原の好守にも助けられ三者凡退、8回も藤川が無失点に抑え、ベテランが連日試合を引き締める。打線は7回に代打・ナバーロの安打から満塁とし糸井の押し出し死球で1点を追加。貴重な追加点を挙げリードを広げた。
9回はドリスが締めて逃げ切りに成功。最下位転落からわずか4日、連夜の逆転勝ちでAクラスは目前に迫った。金本監督は「ビジターで良い成績なんで、連戦でリリーフしんどいのはどこのチームも同じなので頑張っていきたい」と意気込んでいた。