試合開始から1時間30分強で6回が終わるハイペースな試合展開、先発・岩貞と巨人・メルセデスの両左腕による投げ合いが続いていた。

緊迫した投手戦で大きな山場を迎えたのは7回表、岩貞は先頭の巨人の4番・岡本を追い込みながら低めのボール気味の球をうまくレフト線に運ばれ、無死の走者を2塁に背負う。続く阿部の打球はファーストへの低いライナーでナバーロの捕球に対し1塁塁審はアウトの判定を下したが、審判団の協議の結果、判定はショートバウンドに覆り1塁セーフ。「自分では捕ったと思ったけど審判のコールですから」さらにナバーロの悪送球により2走・岡本は3塁に進んだ。

同点の終盤に背負った無死1、3塁の大ピンチ。1点もやれない場面で二遊間はやや前進気味の中間守備、かなり厳しい状況となった。それでも岩貞は「あそこまでピンチになってしまえばバッターに100%集中するだけなので」とより一層集中力を高めた。長野をキャッチャーファールフライに、ゲレーロは見逃し三振に打ち取り打球を前に飛ばさせず2死を奪う。守備陣が定位置に戻っても岩貞は集中力を切らさず大城を空振り三振。7回を3安打無失点に抑え先発の役割を果たした。

岩貞の好投に応えたい打線だったが7回は大山が、8回は中谷が、9回は途中出場の陽川が安打を放ちながら盗塁刺や併殺打、バント失敗が響きチャンスを広げられない。試合は両チーム無得点のまま延長戦に突入した。

10回はイニング跨ぎとなったドリスが自らの好フィールディングもあり無失点。11回は岡本、12回は能見が好投し得点を許さず無失点リレーを完成させた。1番・糸原から始まる12回の攻撃にサヨナラ勝利の期待が高まったが残念ながら三者凡退。惜しくも勝利はならなかったが明日は貴重な投手指名練習日。野手陣はコンディションを整えペナントレースを締めくくる14連戦に臨む。