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9月29日(tham30) 藤浪鮮やか!2年ぶり完封

戦評

若き大砲候補と若き右腕の活躍で、阪神が快勝を飾った。

試合前・阪神ベンチに衝撃が走った。この日、主砲・糸井が「左肩腱板の部分損傷」で登録抹消。先の広島戦(マツダ)でダイビングキャッチを試みた際に痛めたとの事で、代わりに高山が約3ヶ月振りに昇格している。

苦手な中日先発左腕・ガルシアに対する阪神は、2番 植田。4番に大山を据え、5番ナバーロ。以下は、梅野・陽川・中谷と並ぶ打線を組んだ。初回、糸原の左二塁打と植田・犠打で一死3塁とするが、福留は3球勝負の空振り三振で二死となるも、4番 大山が追い込まれながらライトへ適時二塁打を放って阪神が先制する。続くナバーロも右前適時安打で続いて初回に2点を奪った。

先制打の大山悠輔内野手が振り返る。「打ったのはストレート。追い込まれてしまったが、粘って反対方向に打ち返すことが出来た。先制のチャンスで走者を還すことができて良かった」。追撃の適時打を放ったエフレン・ナバーロ内野手も「打ったのはスライダー。とにかく次に繋ぐ事を考えて打席に入ったよ。追い込まれてからヒットにできたのは良かったね!」と声を弾ませた。

阪神先発・藤浪は、立ち上がり先頭・平田を歩かせるも後続を打ち取り初回をゼロに抑える。序盤から安定した内容でアウトを重ねて行った。

5回表 阪神は陽川のヒット・盗塁で一死2塁となり、9番 藤浪がセンターへ適時二塁打を放って追加点を入れる。6回表には、一死1塁にヒットの大山を置いて、5番ナバーロがセンターへの適時二塁打を放ち走者を迎え入れる。ガルシアは6回(84球)まで投げて8安打6三振1四球4失点で降板した。「打ったのはストレート。2打席目(見逃し三振)にやられてしまっていたので、ファーストストライクから積極的に打ちに行ったよ!」。この日2本目となる貴重な適時打にエフレン・ナバーロ内野手もご機嫌そのものだ。

その裏 藤浪は平田・大島にヒットを許し一死1・2塁のピンチを招いたが、4番ビシエドを右飛、続くアルモンテも二ゴロに打ち取り脱出する。

中日は今季限りで引退する浅尾と野本がベンチ入り。試合終盤にはそれぞれの出番もあってスタンドは盛り上がりを見せた。試合はこのまま藤浪が最後まで投げ切り、阪神が4対0で中日を破っている。

藤浪は、2年ぶり完封勝利で通算50勝をマークした。134球を投げて5安打7三振2四球の内容だった。藤浪晋太郎投手は、「調子自体悪くなく、最後は崩れたんですけど…。リードしてもらって、なんとか投げさせてもらったと言うか?(今日はスライダーも切れたし)全体的にバランスが良かった。意図した球が狙ったところに行っていた。7、8回に(完投を意識した)。8回に監督からどうする?と言われて、お任せします!ということで…」最後まで投げ切った経緯を説明している。

金本知憲監督が振り返る。「(この試合は)藤浪がどうか?というのとガルシアをどう打つか?が二大テーマだった。(藤浪は)最低5〜6回と思っていたが、試合を作ってくれたし…。藤浪の時はよく打つわね、なぜか?(初回ガルシアを初球からどんどん攻めていたが)それは打撃コーチの指示通りだと思うけどね。みんなよくその指示を守って打っている。(藤浪はカウント)3-1から変化球や、3-2からも変化球を投げていたり、最近の藤浪には見られなかった(内容だった)。フォークもうまく使ってたし、やっぱり何でいうのかな?(打線が)よく打つよね!」。

先制打を含む猛打賞の大山らの「藤浪に勝ちをつけてあげたい」思いも含めて、指揮官には嬉しい試合だったようだ。登録抹消の糸井については、今季中の復帰に厳しい見通しを示したが、若い力の台頭はこれまで心底願って来たものである。その後 台風接近の為、日曜日の試合は交通機関などを考慮して中止と決まったが、「どういう日程であれ、目の前の一戦を取りに行くだけ」と前を向く姿に悲壮感は見られなかった。

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