序盤 大量得点で優位に立った阪神が、中盤 猛追を受けたものの、盤石の救援陣が力を発揮して対広島の連敗を6で止めた。
広島先発・アドゥワに対する阪神は、前日コンディション不良で欠場の3番 糸井が復帰して5番マルテ、6番 梅野。7番には高山を配置する。初回 先頭・近本がヒットで出るも糸原が遊ゴロ併殺打。そこから糸井・死球と大山・中前安打で二死1・2塁としたが、5番マルテが内角直球で見逃し三振に倒れた。
阪神は、前週DeNA戦 完封勝利の左腕・ガルシアが先発。立上り 二死からバティスタに右越え三塁打を浴びてピンチを背負うが、4番 鈴木を良い当たりの中飛で凌ぐ。
2回表 阪神先頭・梅野が変化球が外れたカウント2-0からの直球を捉えてバックスクリーンに入る先制中越えソロ本塁打を放つ。更に高山・四球と木浪のヒット、ガルシア・犠打で一死2・3塁として1番 近本が前進守備のセカンドのグラブを弾く右前適時安打。2点を加えた。尚も糸井・右前安打で1・3塁として4番 大山の右越え2点適時三塁打。続くマルテは左前適時安打。この後も梅野がヒットで繋いで7番 高山の右前適時安打を呼んだ。この回 阪神は打者13人の攻撃でビッグイニング7点をあげた。アドゥワは2回(67球)10安打1三振2四死球7失点で降板している。
「狙い球を一発で仕留めることが出来た。ガルシアの為に先制する事が出来て良かった。しっかりとリードできるように頑張る」。先制本塁打の梅野隆太郎捕手が気を引き締める。貴重な追加点となる2点適時打の近本光司外野手は、「打ったのはストレート。ガルシアがしっかりとバントを決めてくれたので、思い切って打ちに行く事が出来た」と話す。4番の仕事を果たした大山悠輔内野手も、「打ったのはスライダー。昨日一昨日とチームに迷惑をかけていたので、何としても打つ!という気持ちで行った。チームの良い流れに乗る事が出来た」と笑顔を見せている。
序盤から大量援護を受けたガルシアは、走者を背負いながらも踏ん張る。2回裏二死3塁で8番 田中広に痛烈な当たりを打たれるもファースト・ガルシアの正面を突くライナーで救われる。3回裏は木浪のエラーとバティスタ・左前安打で二死1・2塁とされたが、4番 鈴木を変化球で空振り三振に仕留めた。前半は時折高めに甘い球が来るものの、要所で低めに投げる事は出来ていた。
3〜4回は広島2人目・中村恭に抑えられた阪神は5回表 3人目・九里を攻め高山・木浪の長短打で一死2・3塁とするが、ガルシア・近本が打ち取られる。その裏 ガルシアは田中広・菊池涼のヒットなどで一死満塁のピンチを招くが3番バティスタを注文通りの遊ゴロ併殺に打ち取り、ここも何とか脱出した。
しかし、6回裏 一死から西川の25試合連続安打となる左前安打から満塁となり、8番 田中広の左前適時安打は高山の悪送球も絡んで2点を失う。続く代打・長野を空振り三振に斬ったものの、1番野間に適時内野安打を打たれ、マルテ・大山の送球ミスも重なって2者生還。野間が3塁まで進み、菊池涼・四球。3番バティスタにも左前適時安打を浴び2点差に迫られたところでベンチも我慢の限界となり、ガルシアは交代となった。二死1・2塁と2人目・守屋にとっては厳しい場面だったが、4番 鈴木を直球で見逃し三振に仕留めて、この窮地は乗り切っている。
7回表 広島は4人目・菊池保が登板。阪神は梅野・高山の長短打と代打 鳥谷・四球で二死満塁と迫るが、1番 近本が二ゴロに倒れて突き放す事が出来ない。逃げ込みを図る阪神はその裏3人目・藤川を投入。二死から四球で出塁を許すが、8番 田中広を遊ゴロに打ち取り、この回を乗り切る。
阪神は8回裏をジョンソンが3人でクリア。9回表は広島・中崎から無死1・2塁のチャンスを作るが、この日3安打の7番 高山は強攻策で遊ゴロ併殺打。ダメ押しとはならない。それでも最後はドリスが中軸を3者凡退に打ち取り、7対5で阪神が逃げ切った。対広島戦6連敗で止めた阪神は、首位 広島と4差の2位で交流戦に入る。
5回2/3(109球)10安打3三振 3四球 5失点のガルシアは、連勝で今季2勝目。守屋〜藤川〜ジョンソンにそれぞれホールドがつき、ドリスは13個目のセーブとなった。途中、猛烈な追い上げに遭ったが、自慢のブルペン陣が流石の投球でチームに勝利をもたらした。
「なかなか打ててない投手(アドゥワ)だったので思い切って行こうという結果が本塁打になって・・流れを掴めたのかな!という感じがした」。 ヒーローインタビューは、先制弾を含む猛打賞の梅野隆太郎捕手だ。「点差は7点まで開いたけど、やっぱり油断出来ないな!という。チャンスを何度も作られて何とか乗り切って行ったけど、あの回ちょっとエラー絡みもあって、なかなかしんどい部分もあったけど。ホントに繋ぎ繋ぎで後ろの投手が良く頑張ってくれたので、こういう試合になったと思う」。
「(リードしていても)今の広島は強いな!と言う感じがしてるし、2連敗して、その前から連敗が続いてる!って勿論オレらも判ってるんやけど、今日の勝ちは相当大きいと思う」。矢野燿大監督は、広島の流れを止めた守屋の活躍を讃えた。「(ベンチから見ると守屋は)たぶん外にハズそうとしたのが入っちゃったかな?と見えたけど、どんなカタチであれ、一番ドキドキしてね。良い事というよりは、打たれたらどうしよう!という気持ちもありながらの、凄く難しい場面だから。あの結果を出してくれた守屋は、本当に成長というかね。投げっぷりと言うか?アイツの良さが出たと思うんでね!」。
これで交流戦前の全日程を終えたが、「良いも悪いも勿論あるし、それはシーズン通して。分からんけど、広島がもしかして完成に近づいているチームだとしたら、ウチはそこまで行けてないんで。そう言う意味では、良いとこも悪いとこも出てしまうのは、オレの責任というか?(結果は)受け止めるし。失敗恐れてやるようなプレーをオレはして欲しくないから。(そういう中で)55試合振り返ると苦しい時期もあったんで・・そういう意味でみんなよく繋いでくれた」という戦いの内容には、一定以上の手応えを示唆した。次のステップとなる交流戦は、チームの成長という意味でも非常に重要である事は間違いない。指揮官としての未知なるステージへ。新監督の挑戦は、まだまだこれからだ。