ベテラン左腕が立ち上がりに大量失点を喰らい劣勢に立たされた阪神が、その後も失点を重ね一方的に敗れた。
巨人先発・桜井に対する阪神は、前日上腕部に死球を受けた糸井が治療の為 帰阪した事もあり 、3番にソラーテを入れ 大山・福留とクリーンアップを組んで臨む。阪神は初回、先頭・近本がライト線三塁打を放ち、2番 糸原の右犠飛で幸先よく1点を先制する。
しかし、阪神先発・岩田が予想以上に悪い立ち上がりとなった。初回先頭・若林に遊撃内野安打で出塁されると、山本の犠打で得点圏に走者を背負い、3番 丸の右前適時安打で直ぐに追いつかれる。坂本勇・亀井にも連打を許し一死満塁となって6番 岡本に四球を与えて押し出し。続くゲレーロに来日初のグランドスラムとなる中越え 9号満塁アーチを浴びて、たちまち大量失点。更にこの後、若林の中前適時安打もあって初回で7対1と大差をつけられてしまった。
初回で大勢が決した感もあったが、2回表 阪神は先頭・5番 福留が変化球を鮮やかに捉えてライトへ5号ソロ本塁打を放つ。NPB通算1000得点のメモリアルを意地の本塁打で飾ってみせた。
3回裏にも岩田は、8番 炭谷に4号2ランを浴びて失点を重ねる。立ち上がりから微妙なコントロールに乱れが生じて、本来のゴロを打たせてアウトを重ねるピッチングが出来なかった。3回(78球)まで投げて8安打 2三振3四球9失点で交代となった。
4回裏 阪神2人目・飯田も亀井・岡本に連続適時長短打を浴びて2点を加えられる。5回表 阪神は二死満塁と桜井を攻めたが、3番ソラーテは詰まった二ゴロに倒れて大きな流れを作る事が出来ない。
6回表 福留・マルテの連打で作った二死1・2塁から8番 梅野の中前適時安打で阪神が1点を返すも、その裏 今度は3人目・浜地が二死満塁から8番 炭谷に2打席連続となる5号満塁本塁打を浴びて 15対3と、もはや修復不可能なスコアにされてしまった。巨人・桜井は7回(117球)まで投げて、9安打 6三振 無四球 3失点で交代する。この展開の中で四球を1つも与えなかった事は、高く評価出来るだろう。
阪神は8回表に巨人2人目・クックから7番 高山が左前適時安打を放って反撃するも焼け石に水。その裏 4人目・高野が途中出場・小林に左前適時安打を打たれて16対4となる。9回表は、戸根に抑えられてそのまま試合が終わった。大勝の巨人は4連敗でストップ。原監督は通算999勝となって、大台の数字に王手をかけている。
敗れた阪神にとって最大の誤算は何と言っても先発投手の乱調だが、矢野燿大監督も開口一番次のように吐き捨てた。「よーいドンで7点。2つ取ったからこそ、ウチとしては何としても取りたい試合やったんだけど、あれだけいかれるとね。なかなか打者も行くぞ!っ言うカタチにはなりにくいんで。その後もまた2点取られたから。うーん、しんどかったね。(ベンチとしても)いや、どうしようもないでしょう。打つのを待つしかないし、あんだけ点数もあるんだから。策って何も出来る訳じゃないから」。
それでも、大敗の中でベテラン福留の奮闘には表情も和らいだ。「勿論1000得点も凄い事やし、内容もしっかりしたものがあった。記録のところで本塁打で決める!と言うのも流石と思うし。まぁ、全ての打席、内容が良かったので、続けて行ってくれたら嬉しいです」。
チームを一時離れ、単身帰阪した糸井が心配だ。指揮官によると「本人的にもしんどいという事やったし」この日の出場は見送った。次の甲子園・中日戦は、「行くつもりではいるけど、それは火曜日にならないと分からない」と言う。この大敗を引きずらず、気分を変えて本拠での中日戦に臨むしかない。