「ミスをしても失敗を恐れずどんどんチャレンジしていく」矢野監督が度々チームに求めてきた積極的な姿勢をルーキーの中野が体現し、先制点に結びつけた。

3回、2死からチーム初安打を放って出塁すると次打者の初球に盗塁を決める。前日には13度目の企図にして初めてプロで盗塁を失敗をしていたが躊躇しない。マウンド上には左投手がいてマスクをかぶっていたのは前日に刺された楽天の強肩捕手・太田だったが果敢にスタートを切り、リベンジに成功した。得点圏に進むとマルテがレフト線へ先制の適時打を放つ。

先発のガンケルは球を低めに集め、序盤だけで5つの三振を奪い3回をパーフェクト。両コーナーの変化球の出し入れで楽天打線を手玉に取った。打球を足に受けた4回に逆転を許すが打線はすぐに反撃した。

5回、2死から梅野が四球を選び打順がトップに返ると近本がライトスタンドに2点本塁打を放つ。「まっすぐかなと思いながら、しっかり振り切ることが出来ました」という一撃は強いスイングでの逆転弾、再びリードを奪った。

7回には2死から梅野が四球で出塁し近本の安打で1、3塁。近本が盗塁を成功させると中野のレフト前への安打で梅野に続いて生還、流れるような攻撃で2点を追加した。

投げてもガンケルは打球直撃の影響を感じさせず安定した投球を続け6回を2失点。しかし7回に宮城出身の馬場が2点を失い、8回は藤浪が先頭打者に被弾。試合を振り出しに戻されてしまった。

9回の攻撃も2死走者なし。流れは相手に傾いていたが梅野がこの日3つ目の四球を選ぶとディレードスチールを仕掛ける。これが相手の連携ミスを誘い一気に3塁へ。すると
近本が一塁線を破る適時3塁打を放つ。「抜けた瞬間に『よっしゃ』と声が出ちゃいました。ホームグラウンドのようにたくさんの方にお越しいただいてすごく力になりました」という一打で勝ち越しに成功。最後はスアレスが21セーブ目を挙げて、一進一退の好ゲームを締めくくった。

圧巻の交流戦6連勝締めで貯金はついに20。一般的に80勝60敗が優勝ラインとされているから残り試合を五分でも到達する。勝利の美酒に酔いしれるには少し早いですが言わせてください。

ファンの皆様、おめでとうございます！