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7月12日(Jul20217) 9回2死からの大逆転サヨナラ勝ち

戦評

防御率1.83はセリーグトップ。対象をパリーグにまで広げても上にいるのはオリックス・山本の1.82だけ。NPBトップクラスの投手へと成長した青柳がベンチの期待通りに試合を作った。

低めに丁寧に集めるピッチングでDeNA打線に強いスイングをさせない。3回に先制を許したもののセンター・近本の好返球でタッチアップする可能性のあった走者を自重させ、三塁線の強いゴロをさばいた大山のハンドリングと強肩により追加点は防ぐ。バックもアシストした。

打線の援護がない中でも青柳の好投は続いた。7回に2点を失いトータルは7イニングを投げて3失点だが自責点は1。98球で試合を作りさらに防御率を向上させた。

劣勢の展開の中、8回は藤浪がDeNAの強力な中軸を三者連続三振にねじ伏せる。内容としてもストレートはストライクゾーン内で押し、カットボールはボール球を振らせる理想的なものだった。

この好投に球場からは大きな拍手が沸き起こり、9回に登板した及川は152km/hを計測。若い力が躍動し2奪三振で三者凡退に抑え、望みをつないだ。

3点を追う最後の攻撃は1死から梅野がこの日3本目となる安打で出塁する。続く中野も鋭い当たりを放ったが惜しくもライトライナー。それでも代打の佐藤輝がつなぐ打撃で三遊間を割り2死1、3塁とした。打順がトップに返り近本の適時打で1点を返す。ようやくの反撃に糸原もセンター前へ弾き返す適時打で続く。2死ながら1点差に迫り同点の走者を3塁に、逆転サヨナラの走者を1塁に置いた。一気にボルテージの上がる甲子園でマルテが同点適時打を放つ。2死からつないで3得点。なおも1、3塁のチャンスで「打つしかないのと思っていたのでとにかく振っていこうと思って打席に入りました」という大山が初球を捉えると打球はセンター前に抜けるサヨナラ打となった。

3点ビハインドの9回2死から4者連続の適時打により逆転サヨナラ勝ち。あまりにも劇的な勝利に矢野監督は「感動してます。全員の気持ちだと思います」と感無量。全員野球の、最後まで諦めない姿勢が奇跡を呼んだ。

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