1週間前のロッテ戦では4回6失点。
先発の伊藤将は低めに集めて打ち取る術に長けた実践派左腕だが、前回登板では安定感を欠くイニングがあった。そしてこの日も立ち上がりにやや球が高く、初回に先制を許してしまう。それでもビッグイニングを作ることなく5回まで2失点で凌ぐ。先発の役割は果たした。
援護したい打線もオリックスの先発・竹安に対し、良い当たりを放っても野手の正面に飛んでしまう不運に見舞われ、6回まで無得点イニングが続いていた。試合が大きく動いたのは2点を追う7回、代打の切り札がさすがの勝負強さを発揮した。
先頭の大山が2塁打で出塁し、サンズがフルカウントから低めの球をきっちり見極め四球を選ぶ。無死1、2塁と走者をためると代打の原口が打席へ向かう。集中力を高めた原口は2ボール2ストライクから3球ファールで粘り、甘く入ってきた8球目を逃さない。逆転の3点本塁打をレフトスタンドに運んだ。
一振りで試合をひっくり返し、リリーフ陣の見せ場が訪れた。岩崎、スアレスのリレーは磐石としてもう1枚の勝利の方程式を探すことはエキシビションマッチのテーマの一つ。しかし7回に古巣相手に登板した小林が2死1、3塁のピンチを招くと、逆転の3ランランニングホームランを浴びてしまう。ライン際への当たりにレフト・板山がダイビングキャッチを試みたが届かなかった。
8回にはベテランの岩田も相手に傾いた流れを止められず3失点。マスクをかぶった高卒2年目の藤田も機動力に翻弄されてしまった。5点を追う9回は三者凡退に倒れ反撃ならず。
シーズン後半、試合の終盤戦は1つのミスが命取り。エキシビションマッチで学んだ教訓を生かし、身も心も引き締めて後半戦に臨みたい。