東京オリンピックの影響によりシーズンを1ヶ月間中断する。誰も経験したことのない日程に調整は難しいかと思われたが、プロ通算12年目を戦う右腕にとっては全く要らぬ心配だった。
豊富な球種をコーナーに散らす秋山の状態は好調そのもの。前回登板の8月1日の西武戦では7回途中を4安打無失点、長いイニングをしっかり投げるとこの日は3回を無安打無失点に抑えた。後半戦も安定感抜群のピッチングで白星を重ねてくれるだろう。
継投に入った4回以降も尾仲は崩れてしまったものの、湯浅、岩貞、浜地、小野はきっちり1回を無失点。ブルペンの層は前半戦以上に厚みを増しそうだ。
打線では4番・大山のバットが好調だ。2回にチーム初安打を放つなど3安打を記録し、特に第3打席ではあわや本塁打というフェンス直撃の2塁打を放った。主軸、主将として背中でチームを引っ張る男はもうペナントレース再開を待つのみだ。
全体としては得点の奪えないイニングが続いていたが終盤に公式戦仕様の攻めを見せた。8回1死から打率.344を誇るウエスタンリーグの首位打者・島田が四球で出塁すると矢野監督は原口を代打に送る。頼みの綱はファールフライに倒れたが島田が盗塁を成功させた。3点を追う9回は1死からサンズと大山が連続四球を選び、楽天の守護神・松井を攻め立てた。
リードはされていたが9回裏まで行う特別ルールにより最終回はエドワーズが登板。1死から安打を打たれたものの途中出場の捕手・長坂の好送球により三振ゲッツーを奪い結果的には相手のクリーンアップを3人で片付けた。
秋山と大山は今すぐリーグ戦が再開されてほしいほどの仕上がりぶり。残り2試合となったエキシビションマッチで投打の要だけでなくチーム全体の調子を上げ、首位固めの長期ロードとしたい。