先制点はガンケルのバットから。それは乱打戦の始まりを告げるゴングとなった。

2回、先頭のロドリゲスが安打で出塁すると1死後、梅野の打席でスタートを切る。梅野はレフト前に運び1、3塁。ガンケルが三遊間を破り先制に成功した。この回さらに島田にも適時打が飛び出し、リードを2点に広げた。

しかしガンケルは直後に痛打を浴びて同点とされ、3回には2被弾で勝ち越しを許し、4回にも失点してしまう。そんな苦しむ"投"の助っ人を頼れる"打"の助っ人が強烈に援護した。

3点を追う5回、2死1塁からロドリゲスがセンター左へ滞空時間の長いアーチを描く。相手の外野手はフェンス際で見送るだけという今季2号は追撃の2点本塁打となった。

「点差ついてしまった直後だったけれど、イニングもまだ残っていたし、チームでつないで早く追いつきたいと思っていたよ。しっかりと良いスイングができたと思うし、打った感触も良かったね」

この豪打にロハス・ジュニアも続いた。ライトスタンドにこちらも完璧な一撃を放った。

「目の前でロドリゲスがあんなに素晴らしいホームランを打ってくれたから、続きたいと思っていたよ。最高のバッティングができたし、ロドリゲスとアベック弾を打つことができて最高の気分だね」

どちらも打った瞬間に確信弾という豪快な2者連続アーチで3得点、あっという間に試合を振り出しに戻した。

5-5の中盤戦は島本、加治屋とつないで無失点。7回は3連投となった岩貞がピンチを招くもセカンド・糸原のファインプレーにも助けられホームを踏ませず踏ん張った。

打線は8回に代打の陽川が死球を受けると中野が送りバントを成功させて、代走の熊谷を2塁へ進める。このチャンスに島田が勝ち越しの適時2塁打を放った。

「何としても1点欲しいという思いで、絶対(走者を)還してやろうと思って思い切り振りました。ちょっと詰まったんですけど良いところに落ちてくれて良かったと思います」

さらに佐藤輝の犠牲フライで広島を突き放す。2点のリードを奪うとその裏は湯浅がきっちり抑え、最終回はケラーが締めて来日初セーブを挙げた。自慢のリリーフ陣は守護神の岩崎が万全でなくとも復調を待てるだけの余力がある。打線も島田は4試合連続複数安打、下位打線には一発のある助っ人が並び、梅野も猛打賞と状態を上げている。緊迫した終盤戦ならブルペンの厚みで押し切り、この日のように両軍合わせて29安打の乱打戦でも打ち負けない。4連続となったカード勝ち越しは来週以降も伸びそうだ。