優勝の使者となった右腕が再び好投した。マジック1で迎えた14日の巨人戦で7回3安打1失点の内容で勝ち投手となった才木が先発マウンドへ。少し登板間隔が空いてもしっかり調整、力任せではない大人の投球で中日打線を封じ込めた。
序盤は力強いストレートと鋭い縦変化のフォークを印象付け、中盤からは横変化でカウントを整える。バックも好守で応えた。三遊間への打球はショートの見せ場。4回に木浪が逆シングルでのスライディングキャッチから落ち着いてワンバウンド送球で打者走者をアウトにした。才木は5回まで62球で2安打無失点と抜群の内容。7回に1死1、2塁のピンチを招いても後続をきっちり抑えホームを踏ませなかった。
終盤の山場を切り抜けると8回も無失点で9回には中日のクリーンアップから2奪三振。ストレートはこの回も延長戦になっても150km/h台を連発した。130球の熱投で10回を5安打無失点、先発として最高の結果を残した。
「真っ直ぐの感覚もよかったですし、持っているすべての球種をある程度イメージ通り投げることができたので(坂本)誠志郎さんと一緒に抑えることができました。しっかり自分の投球ができたと思います」
この好投を援護したい打線だが思うように繋がらない。4回に1番・センターでスタメン出場の小野寺がチーム初安打を放つが得点には至らず。7回に中野、8回にはノイジーがHランプを灯したが後続が倒れてしまった。才木の力投により迎えた10回、先頭の木浪がレフト前に安打を放った。これが今季158本目となりシーズン安打数単独トップに躍り出た。この一打をきっかけに2死満塁、11回にも1死1、2塁としたが最後のひと押しが足りない。
緊迫した展開の中でリリーフ陣は石井、ブルワー、桐敷とつなぎ無失点リレー。白星こそ逃したが"負けない野球"で0-0の引き分けとなった。