神宮での好相性は今季も続いていた。3回までは無安打無得点に抑え込まれ、先発の大竹は2点を失ってしまう。そんな劣勢の序盤でも攻守に高い集中力を発揮してひっくり返した。

まずは頼れる切込隊長がムードを変えた。2点を追う4回、近本が今季2号本塁打をライトスタンドへ放った。

「追い込まれていましたが、うまく打つことができました。先制された直後に点数を返すことができてよかったです」

1点を返すと中野の安打と森下の四球で無死1、2塁のチャンスを作り大山の打球はライト前へ。これぞ4番の働きで同点に追いついた。

「当たりはよくなかったけど、いい所に飛んでくれました。取られてすぐに追いつくことができてよかったです」

試合を振り出しに戻してもらった大竹はその裏に三者凡退のイニングを作り、引き寄せた流れを渡さない。6回の守備ではショートの小幡がファインプレー。今季初スタメンの抜擢に応え、普通ならセンター前への安打をアウトに変えた。大竹は3回以外ホームを踏ませず6回を投げて2失点、丁寧に低めを突いて試合を作った。

「余計な四球から失点してしまった部分が反省ですが、その後しっかりと切り替えてバッターと勝負できたのは良かったかなと思います。長打が打てる打線なので、そこをケアしながら、単打ならOKと割り切って攻めることができました」

2-2で迎えた7回には先頭の前川が安打で出塁し、佐藤輝がまたしても大仕事だ。真ん中付近への失投を逃さない。初球を完璧に捉え2点本塁打を放った。

「もうちょっと飛ぶかなと思ったんですけどギリギリでした。状態は良い状態だと思います」

前夜に続く勝ち越しアーチを再び右中間へ。効果的な一発で4-2とリードを奪った。

その裏に1点を返されるが8回はゲラが、9回は岩崎がきっちり三者凡退に抑えた。投打が噛み合いカード勝ち越しが決定。連勝を飾って5割復帰となり、今季初の貯金は目の前だ。