スタメン発表で名前を呼ばれた時の歓声が一際大きい。誰もが左の大砲の戦線復帰を待っていた。佐藤輝が2回の第1打席でセンター前に安打を放つと一気に球場は沸いた。渡邉の安打と坂本の送りバントで1死2、3塁とすると木浪のファーストゴロの間に3走の佐藤輝が生還を果たす。先制のホームへ頭から滑り込んだ。佐藤輝はサード守備でも軽やかなランニングスローを披露し攻守にハツラツとした動きを見せた。

4回には2死1、2塁から前川の適時打で加点。「なんとしても打ちたかったので結果的に打てて良かったです。ヨッシャーと思いました」という一打で2点目を奪った。5回に反撃を許し1点差に迫られたが6回に突き放す。まずは木浪の安打から1死満塁のチャンスを作り森下の内野ゴロの間に1点を加えた。さらに2死2、3塁から近本がライト線へ2点適時3塁打が放つ。打線がつながり1イニング3得点、5-1とリードを広げた。

佐藤輝と同じく1軍昇格となった先発の伊藤将もしっかり自分の仕事をこなした。立ち上がりこそ高めのボールが目立っていたが2回からは本来の投球を取り戻す。尻上がりに調子を上げてアウトを重ね、大きなピンチを招いた5回も最少失点で切り抜けた。7回に打球が左膝付近に直撃しながらもイニング終わりまで投げ抜き7回を1失点、5月11日以来の1軍マウンドで好投した。

「1軍に上がれたのでそれなりの成績を出そうと思ってました。なんとか1点で抑えられたので良かったです。調子崩してファーム行っちゃったんで、ここからチームに貢献出来るよう頑張ります」

8回は桐敷、9回は漆原とつないで逃げ切りに成功。連敗を止めた岡田監督は「(貯金)0になったんでみんな今日から再出発という気持ちでやっていたと思います。久しぶりに良い勝ち方が出来たかなと思いますね。負けが止まったんでちょっとはみんな気分的にも楽になると思うし(明日先発の)ビーズリーはずっと良いピッチングしてるんで打線が早く援護する気持ちでいってほしいですね」と話した。リスタートとなった試合で昇格したばかりの選手がしっかり結果を残して貯金1。交流戦の巻き返しはここからだ。