波に乗り切れない今季は負ければ借金生活という窮地に何度も立たされたが全て跳ね返してきた。勝率5割で迎えた前半の最終戦でもやはり土俵際に強い。逆転勝ちを収め貯金ターンを決めた。

1点を追う3回には梅野の一打が猛攻を呼んだ。「昨日、悔しい思いをしていたのでやり返したいという思いでした」という思いを込めた2塁打をきっかけに1死1、2塁のチャンスを作ると中野の適時打で同点に追いついた。さらに2死1、3塁から佐藤輝の適時打で勝ち越しに成功。試合をひっくり返すと猛虎打線は止まらない。この後も得点圏に走者を置いた場面で大山、前川、木浪、梅野がHランプを灯す。5者連続適時打という怒涛の攻撃で一挙6得点、ビッグイニングを作り6-1と5点のリードを奪った。

大量援護をもらった先発の西勇は9安打を浴びながらも要所を締めて6回2失点。粘り強い投球で試合を作った。

「流れを持ってきたいと思ってました。結果として出来たので良かったです。梅野のリードもノリノリで良い配球をしてくれて良かったです」

打線は6回にも木浪の死球と梅野の安打から1死1、3塁とすると近本の適時打で加点。さらに森下の2点適時2塁打、佐藤輝の犠牲フライでリードを広げるとトドメは大山がレフトスタンドに2点本塁打。「1点でも多く取りたかったので入ってくれと思いながら走ってました」という今季7号により3回に続いて6得点のビッグイニングで試合を決めた。

リリーフ陣も前日に悔しい思いをした富田がマウンドに上がりきっちり三者凡退。悪いイメージを払拭した。ルーキーの石黒も1軍初登板。打者1人をきっちり内野ゴロに打ち取りプロでの好スタートを切った。

攻撃も守備も収穫十分の内容で12-2と10点リード。余裕を持って最終回を迎えると最後は岡留が1点を失ったものの1死満塁から併殺打に打ち取り逃げ切りに成功、前半最終戦を白星で締めくくった。先発野手全員安打、全員打点の圧勝で貯金を作って後半戦へ。残り53試合も全員野球で戦い抜く。