逆転優勝のためには必ず必要となる右腕が戻ってきた。ファームで調整を続けていた青柳が5月31日のロッテ戦以来となる1軍マウンドに上がった。立ち上がりに2死満塁といきなりピンチを招いたが無失点で切り抜けると2回は三者凡退。立ち直りの兆しを見せた青柳に打線も援護点を送った。

2回、先頭の大山が安打で出塁すると岡田監督は仕掛けた。島田の打席でエンドラン。スタメン抜擢の島田が起用に応えライト線へ2塁打を放つとスタートを切っていた大山が1塁から生還。先制に成功した。

「必死に食らいつく気持ちでスイングしました。なんとか最低でもバットに当てて、後ろへつなぐ意識でしたし、いいところに飛んでくれてタイムリーになってよかったです」

青柳は3回に犠牲フライにより同点を許すがなおも続く2死1、2塁のピンチはビッグプレーに救われた。三遊間の強い打球をサードの佐藤輝がダイビングしてグローブに収め2塁封殺。4回には1、2塁間の打球をファーストの大山が抜かせない。両コーナーの好守備が光った。

しかし1-1の5回に味方の守備の乱れも絡んで勝ち越し点を奪われてしまう。その裏に青柳の全力疾走が相手の失策を誘ったところから2死1、3塁のチャンスは作ったが同点ならず。1-2とビハインドを背負って折り返した。

青柳は6回2死2塁を凌いでお役御免。6回を2失点に抑え先発の役割を果たした。

「久しぶりの登板でしたが、（坂本）誠志郎のリードにも助けられながら、先発投手としてやるべきことはできたかなと思います。ただ、点を取られたイニングを何とか粘り切りたかったです」

7回はセカンド・中野の軽やかな守備もあり2番手の富田が三者凡退。8回はビハインドながら石井がマウンドへ。勝利の方程式の一角は走者を2人ためたがしっかり後続を抑えホームは踏ませない。1点差の状況をキープした。するとその裏、大山が2日連続となる本塁打を再びレフトスタンドへ放つ。今季13号は終盤の同点アーチとなり試合を振り出しに戻した。

ところが2-2の9回に切り札の桐敷がつかまってしまう。3点を追う最終回の攻撃で逆転はならず、良い形で連勝しながらカード3連勝はならなかった。

明日からはビジターゲームでの広島戦。絶対負けられない戦いになる。