欲しかった先制点を未来の主砲が叩き出した。初回、2死から森下の安打をきっかけに2死満塁とすると前川が三遊間を破る2点適時打を放つ。追い込まれてからは引きつけて逆方向へ。左の長距離砲の技ありの一打で先制に成功した。
「2アウトからクリーンアップの3人が作ってくれたチャンスだったので、絶対に打ってやる、と強い気持ちで打席に入りました」
しかし援護点をもらった村上がこのリードを守れない。カウントを作っても決め手を欠き2回にまさかの5失点。ファウルで粘る広島打線に手を焼き球数は早くも69球を要した。それでもさすがの修正力で3回と4回は無失点。追加点を与えず踏ん張った。
「悪い流れにしてしまった2回の投球がすべてでした。先制してもらった次のイニングで失点してしまいみんなに申し訳ないです」
3点ビハインドの劣勢の展開となったが1軍定着を狙う選手たちが大いにアピールした。5回は今季初登板の島本が三者凡退。ファーム10試合で無失点と好投していた左腕が1軍マウンドでも結果を残した。ストレートの力強さを取り戻しており今後にも期待の高まる内容だった。6回と7回はイニング跨ぎの漆原がこちらもそれぞれ打者3人でピシャリ。若手野手でも途中出場の高寺がアウトにはなったものの強い打球を打ち返していた。
リリーフ陣の踏ん張りに応えたい打線だが走者を出せないままイニングが進んでしまう。9回は3番・森下からの好打順。クリーンアップのバットに期待がかかったがHランプを灯せない。4回以降が無安打とあっては逆転勝ちは難しく、ビハインドを跳ね返せなかった。
明日の先発はデュプランティエ。もう雨の心配は要らない甲子園のマウンドで腕を振る。