ルーキーの伊原がプロ初の先発マウンドに上がった。リリーフでは6試合8回1/3を投げて無失点。緊迫した場面もイニング跨ぎも問題なくこなした左腕は役割が変わっても強心臓ぶりを発揮する。やや球の高かった立ち上がりはカウントを悪くしながらも連続三振と内野フライで三者凡退。好スタートを切った。
すると頼もしい主砲がルーキーに援護点を送った。初回2死2塁から佐藤輝がバックスクリーン左へ先制の2点本塁打を放つ。左対左も左中間が深い球場特性も関係なし。今季の甲子園でのチーム第1号アーチを描いた。
援護点をもらった伊原はメリハリをつけた投球で的を絞らせず、3回無死1、3塁のピンチにも慌てない。落ち着いて後続を打ち取りホームを踏ませなかった。
その裏に再び佐藤輝の豪打が得点を叩き出した。2死2塁からライトのグラブを弾く適時2塁打を放った。リードを3点に広げると伊原は堂々のピッチングで5回を無失点。プロ初先発でベンチの期待に応えしっかり試合を作った。
「僕のピッチングというよりはテルさん(佐藤輝)が最初に打ってくれたのが大きかったですし、誠志郎さん(坂本)のリードを信じて投げるだけでした。とにかく負けない投手になりたいのでこれからもたくさんのご声援よろしくお願いします」
試合のペースをつかむと佐藤輝のバットが止まらない。5回に豪快な3点本塁打を放ち早くも6打点。前半だけで大量リードを奪った。8回にも小幡の適時打などでダメ押し。リリーフ陣も広島打線の反撃を1点に抑え余裕を持って逃げ切りに成功した。
2本塁打を含む4安打で6打点と大暴れの佐藤輝は「手応えはあったんでけど2本ともギリギリだったので(入ってくれて)良かったです」。7本塁打、17打点と着々と数字が積み重なっている。近本と前川も猛打賞とよくバットが振れている。次カードはDeNAとのビジターゲーム、今の打線ならどこが相手でも打ち負けない。