互いに次の1点が遠く、試合は動きそうで動かない。そんなもどかしい展開を全員で粘り、一気の攻めで突き放した。
先発の富田は日程や天候の都合もあり4月5日の巨人戦以来の登板となった。立ち上がりに2点を失ったがその後は走者を出しながらも粘りのピッチング。追加点を与えることなく5回までマウンドを守った。
「初回に失点を許し流れを相手に与えてしまいました。坂本さんともまずは先頭を頑張ろうと話しあって、2回以降は粘りの投球ができたと思います」
打線は2点を追う2回、1死から大山が安打で出塁し前川がセンターフェンス直撃の2塁打で続く。2、3塁とチャンスを拡大し坂本の内野ゴロの間に1点を返した。しかし中盤は塁を賑わせながらもあと1本が出ない。攻めがつながったのは1点ビハインドの7回だ。2死走者なしから近本が2塁打でチャンスメイク。中野がレフト前に適時打を放ち同点に追いついた。
「ゲーム終盤の大事な場面、(近本)チカさんがチャンスメイクしてくれたので、思い切って打つだけでした。どんな形でも得点に結び付けたいと思っていましたが、良いところにとんでくれました」
さらに2死3塁から森下が初球を振り抜くと鋭い打球はレフトスタンドへ一直線。勝ち越しの2点本塁打となった。
「近本さんがつないで(中野)拓夢さんが還して、良い流れできていたのでツーアウトでしたし思い切って振ろうと思って、その結果が良い結果につながりました。すごく手応えはあったので、やっと角度がついてくれて良いホームランだったかなと思います」
4-2とリードして迎えた9回は桐敷がマウンドへ。一打同点のピンチは招いたがプレッシャーのかかる場面を踏ん張りプロ初セーブを記録した。
打線も投手陣も状態は良好だ。近本が4安打で打率を.326まで上げ、前川は12試合連続安打中。強みであるリリーフ陣は湯浅が1軍合流し厚みが増した。連勝を4に伸ばし明日からは甲子園での伝統の一戦。気分良く週末を過ごしたい。