今年2月に亡くなった吉田義男氏の追悼試合。「牛若丸」と評された偉大なOBの背番号23をつけたナインはロースコアの緊迫した試合を戦った。
初回に近本の安打から2死1、2塁のチャンスを作ると大山がレフト前に安打を放つ。際どいタイミングとなったが2塁から近本が生還。俊足を生かして先制のホームへ滑り込んだ。
「伊原の為にも先制点が欲しい場面でした。近本のいい走塁のおかげで欲しかった先制点を取ることができました」
先発の伊原は3回に同点を許したが2死3塁では岡本を高めのストレートで空振り三振。4回無死1塁でもアウトローいっぱいにストレートを突き刺しキャヘッジを見逃し三振に仕留めた。要所を締める投球で6回を1失点、総合力の高さを発揮して試合を作った。
「自分の投球スタイルを変えることなくゾーンで勝負することができました。ボール先行で甘くなって打たれてしまったり課題も出ましたが、最小失点で粘り強く投げれたところはよかったと思います」
1-1のまま迎えた7回、2番手の岩貞が1死2塁のピンチを凌ぐ。8回は桐敷が1死1、2塁を踏ん張った。援護したい打線は5回に四球で出塁した近本が警戒される中で盗塁を決めるなどしたが追加点を奪えない。7回にも相手のミスをきっかけに2死1、2塁と走者をためたものの森下の放った打球は惜しくもレフトライナー。2点目のホームが遠い。同点の9回には岩崎を投入したが勝ち越し点を献上してしまう。
1点ビハインドの9回裏、崖っぷちに追い込まれたが代打の木浪がライト線に2塁打を放つ。無死で得点圏に走者を置くと小幡が1球できっちりバントを決め、代走の植田を3塁に送った。名ショートの追悼試合にショートのポジションを争う2人の活躍で一打同点の場面を作った。この好機に代打・渡邉の打球はショートゴロ。植田はホーム突入で勝負をかけたが同点ならず。最後まで粘りを見せたがあと1点届かなかった。
敗れはしたがチーム状態は決して悪くない。来週からのゴールデンウィーク9連戦も全員野球、チーム力で白星をつかみ取る。