鯉料理は慣れたもの。左腕の好投手対決で広島キラーの大竹がまたしても好投した。狙い球をスイングしたはずなのに広島打者陣は芯で捉えられない。平凡な外野フライを連発した。大竹はクイックからのスローボールも織り交ぜるなど緩急を自在に操り広島打線を手玉に取った。

しかし打線も広島の先発左腕、床田を攻略出来ない。3回2死2塁から近本がライナーを放つも野手の正面に飛んでしまう。4回までに出した走者は四球による1人だけに抑えられていた。両先発の好投により膠着状態が続く中、木浪のバットが均衡を破った。

5回に1死からヘルナンデスがセカンド後方に落とすチーム初安打を放ち出塁すると2死後に木浪が左中間を破る。ヘルナンデスをホームに迎え入れる先制の適時2塁打となった。

「ツーアウトでしたし、なんとか後ろまで繋ぎたいという気持ちでした。（ヘルナンデス）モーチョがよく走ってくれましたし、まずは先制できてよかったです」

その裏には三遊間への打球をショートの木浪がさばき、難しいバウンドとなった送球はファーストの大山がグラブに収める。好守備が2つ重なって先頭打者の出塁を許さなかった。バックに助けられた大竹は5回を59球で無失点。後半も好投を続けて得点を許さない。8回に2塁打を浴びてリリーフを仰ぐまで無失点のままマウンドを守り、先発として文句なしの役割を果たした。

「ランナーを出したシチュエーションでも落ち着いて投げることが終始出来ました。ストレートが150キロ投げられるわけではないので緩急も上手く使いながら、今日も長所を活かして投げることが出来たと思います」

1点リードの8回、1死2塁の場面は湯浅が内野ゴロ2つでピンチ脱出。9回には中野の3塁打でチャンスを作り大山の適時打で貴重な追加点を挙げた。リードを2点に広げた最終回は石井が抑えて無失点リレーが完成。カード勝ち越しを決めた。

貯金を今季最多の9まで積み上げ、明日の先発はルーキーの伊原。交流戦前の2桁貯金は目前だ。