オリックスとの関西ダービー初戦は村上が完璧な投球で試合を作った。

初回の先頭打者に四球を与えてしまうが心配無用。エースは後続を抑えバックも支えた。ファーストの大山がフェンス際のファウルフライを、スタメン復帰のショート・小幡は後方へのフライをナイスキャッチ。好プレーにアシストされた村上はスコアボードに得点も安打も0を並べ続けて1時間15分で5回が終了。まるで高校野球かのようなスピーディーな展開で試合は進んだ。

好投を続ける村上は6回もきっちり3人で抑えるとその裏には三遊間への内野安打で出塁、両チーム通じて最初の安打をマークした。7回に初安打を浴び大記録達成はならなかったが終盤の重要な場面でも果敢にインコースを突く。制球力の高さがあればこその攻めの投球だった。1死1、2塁からは三遊間への打球を小幡が軽やかにさばき併殺を奪う。好投と堅守の合わせ技でピンチを凌いだ。8回2死2塁ではキレ、高さ、コース全て文句なしのストレートをアウトローに突き刺し強打者の森を見逃し三振に仕留めた。技術も気持ちもハイレベルな109球で8回を投げて2安打無失点、オリックス打線を封じ込めた。

村上の熱投を受け、9回のマウンドには石井が上がった。しかし他球団なら不動のクローザークラスのリリーフエースは頭に打球を受けてしまう。アクシデントによる交代となったが湯浅が後続を抑え、延長10回2死2、3塁の場面は桐敷がバットをへし折りホームを踏ませない。

両チーム無得点で迎えた10回裏、佐藤輝の四球から全ての塁を埋めると満塁男が本領発揮。木浪が1塁線を破るサヨナラ打を放ち投手戦に決着をつけた。

「何とか1点を取るように思い切っていこうと思ってました。打った瞬間、抜けると思ったので喜びました。(石井)大智のこともあって勝ちたいと思っていたので勝てて良かったです」

パリーグ首位の日本ハムに勝ち越し、2位オリックスとの対戦も白星スタート。今の猛攻軍団を止められるようなチームはどこにも見当たらない。