交流戦成績は4勝1敗。好調なチームの波に伊原も乗った。走者を出しても動じない。クイックは速く投げる間合いも一定にならないため走者はスタートを切りにくい。初回は盗塁を試みた走者を坂本が刺し、伊原は2回、3回と走者を背負いながらも無失点に抑えた。投球以外の面も含めた総合力が高く、簡単に先制点を与えなかった。
打線も序盤に援護点を送った。3回に坂本、小幡の連打で走者をため2死1、2塁から中野が三遊間を破り先制に成功した。
「先制点が大事だとわかってましたし何とか後ろの森下につなぐという意識の中で食らいついていった結果が良い結果につながったと思います」
さらに2死1、2塁から森下がレフトスタンドに3点本塁打を叩き込む。打球速度179キロの弾丸ライナーで4-0とリードを広げた。
「(中野)拓夢さんが先制点取ってくれたんで、次の1点という思いで打席に立ちました。昨日より角度もついてしっかり手応えがあったので打った瞬間でした」
森下の活躍は続く。5回にはレフトフェンス付近への大飛球をナイスキャッチ。バットだけでなく守備でも伊原を助けた。伊原は4回に1点を失いはしたが5回を投げて自責点は0。防御率はついに0.99と0点台に突入した。
4-1とリードして迎えた後半戦、リリーフ勝負となればこちらの土俵だ。石黒、ネルソン、及川とつないで6回から8回まで無失点リレー。すると8回裏、欲しかった追加点で試合を決めた。
まずは代打の糸原が安打で出塁。こと起こし職人の一打をきっかけに1死満塁とすると佐藤輝の放った打球はバックスクリーン方向へ向けて一直線に飛んでいく。グランドスラムとなり8-1とオリックスを突き放した。
「一発いったろという気持ちで行きました。(手応えは)完璧でしたね」
9回は岩貞が締めて逃げ切りに成功。投打に強さを発揮し関西ダービー3連勝を飾った。磐石の試合運びで貯金は14まで増え、交流戦順位でも単独首位に躍り出た。ビジターゲームが続く来週も大暴れに期待だ。